2024年のNRFのビッグショーはAI一色に:小売業界最大のカンファレンスがテックイベント化
AIがより前面に
3日間にわたる長いスケジュールをざっと読むと、リテール・メディア、バーチャル・リアリティ、オートメーションといったテクノロジーの活用に触れるセッションが何十もある。たとえば、カスタマー・エクスペリエンスやフロントライン・オペレーションといった小売の「変革(transforming)」分野に関するセッションは、アジェンダの至るところで目立つ。 CESでもそうであったように、今年のNRFでもAIが前面に押し出されている。オンラインに掲載されたアジェンダによると、初日の14日だけでもAIに関するイベントが12以上もある。トピックは、ジェネレーティブAIからPOSを高めるためのAI活用まで多岐にわたる。AI技術を販売するベンダーもこのイベントで存在感を示すだろう。 DX支援を行うCI&Tのリテール戦略ディレクター、メリッサ・ミンコウ氏は、NRFでAIについて学べることに期待しているが、セッションの内容が同じことの繰り返しにならないことを確認したいと米モダンリテールに語った。「私は、AIの新しい応用例と、それに関する小売企業の素晴らしい成功例を聞きたいと思っている」というミンコウ氏は、特にマーチャンダイジング以外の小売機能におけるAIの応用について知りたいのだという。
食品分野の重視
例年通り、機械学習やロボット工学など、小売業向けの新しいテクノロジーを紹介する「イノベーション・ラボ」も開催される。1000社以上の出展者が「エキスポフロア」に点在し、自社の製品や小売ソリューションを紹介する。 NRFでは、食品分野も例年以上に重視される。今年のショーでは新たに「フードサービス・イノベーション・ゾーン」が設けられ、フードテックに焦点を当てたブースが50社以上展示される。これらのブースで紹介されるソリューションは、スマートラベルから盗難防止技術までさまざまである。 コンサルティング会社アルバレス&マーシャルのコンシューマー&リテール・グループでシニア・ディレクターを務めるジョン・クリア氏は、食料品ブランドや食料品店に対して、テック系ベンダーがどのように製品を売り込むのか、興味津々だと米モダンリテールに語った。「食料品小売業は、一部の顕著な例外を除けば、店舗内でのテクノロジー導入という点で、やや出遅れている分野だと思う」と同氏は話した。