「世界津波の日」 和歌山市が東京都北区と災害時の防災協定締結 復旧相互支援へ
国連が定める「世界津波の日」の5日、災害時の対応力を高めようと、和歌山市と東京都北区は、災害時の相互応援協力に関する協定を結んだ。人口規模も近く、歴史的にもゆかりのある自治体同士がこれまでの交流を通じて締結に至ったもので、大規模災害時の復旧復興に向けて相互に支援を行う。 同市は南海トラフ巨大地震、同区では首都直下型地震などの大規模災害の発生が懸念されている。被害が広域にわたるとみられることから、離れている両自治体が協議を行っていた。 同区には江戸時代、紀州藩主から8代将軍となった徳川吉宗がサクラを植え、現在もサクラの名所として親しまれている飛鳥山公園があり、区民まつりに同市がブースを設置するなど、長年交流を深めてきた。 この日、和歌山市役所で行われた締結式には、同市の尾花正啓市長と東京都北区の山田加奈子区長が出席し、協定書に署名した。 尾花市長は「災害時に備え、平時からの連携や交流が非常に大事になる。協定を機に、さらに交流を深めていきたい」。山田区長は「交流を基にした協定は有意義。大規模災害のリスクをカバーし合う協定として、お互いに助け合っていきたい」などと話した。 協定では、食料や水などの提供や職員の派遣、被災者が一時的に避難する施設の提供などが盛り込まれている。今後、お互いの防災訓練に関わることなどを通じ、連携を図るという。 協定締結に合わせ、交流の証として和歌山城と飛鳥山公園のサクラの枝を交換した。1年後をめどにお互いに植樹が行われる。