「令和の米騒動」は新米の出る9月ごろ収束へ 今こそ確認しておきたい 家庭での米の適切な備え
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表などで高まった防災意識。その一方で、懸念されたのが、水と米の買いだめの発生。特に米は、店頭から一時的になくなるなどの報告がメディアやSNS上で飛び交い、なかにはJリーガーなどプロアスリートからも「米が買えない……」という悲痛な叫びも出るほど。「令和の米騒動」というワードとともに、米の品薄の様子が日々報道されています。 2023年秋にとれた米は「乳白色」の粒が多い? いったいナゼ? 米に何が起こっているのか調査した 今回の教訓のもと、普段、米はどのくらい家庭で保存、備蓄することがいいのでしょうか。また、今回の米の状況がいつ改善されるのでしょうか。兵庫県や農林水産省がまとめている情報に注目するとともに、兵庫県農林水産部の担当者に話を聞きました。 兵庫県では、防災の実践「備える」と題して、災害時の食糧の備えについてまとめた『いざという時の心構え 災害時の食に備える』や『災害時にも役立つお米・ごはんBOOK』などのパンフレットを作成し、県の公式サイトにも掲載しています。 『災害時にも役立つお米・ごはんBOOK』には、食べ慣れた食品を最低3日分、できれば1週間分買い置きすることを推奨した「買い置き食品リスト」が設けられ、1人あたり3日分の量として、パックごはんは6パック、無洗米は1.5合という目安が記されています。 米1キログラムは約6.7合。1人あたり無洗米1.5合いるということを考えると、米1キロはおおよそ4人分の量に相当します。4人家族だと、1週間で約2キロということになるでしょうか。 発災後の混乱した状況でも、簡単に食べられるものということが前提になると、開けただけで食べられるもの、お湯を沸かすなどの簡単な調理で食べられるものが、備蓄には最適と考えられています。(※『いざという時の心構え 災害時の食に備える』より) 兵庫県の担当者によると、備蓄に望ましいとされるのは、パックごはん、無洗米のほかに、レトルトのお粥、水を入れると食べられるα(アルファ)化米などです。 普段からもしものときに備えて、これらをうまく活用しつつ、使いながら買い足すローリングストックの習慣づけが求められます。 一方、農林水産省の公式サイトには、米の保存に関して、「お米は野菜と同じく生鮮食品であり、保存の仕方によっても味は変わる」と掲載。「売られているお米の袋には、店頭に並べている間に封がやぶれないように、小さな穴が開けられています。お米はこの穴から呼吸し、外の湿気や臭いにふれ、味が落ちる原因となります。購入後はチャックで密閉できる食品保存袋に小分けして、冷蔵庫や野菜室で保管することをおすすめします」という記述もあります。(以上、農林水産省「お米のおいしさがアップする炊き方と保存法」より) そうなると、市販の米袋を買いだめしすぎても、逆に家庭での保存でかなり気を遣わなければいけないのは明白。ましてや、いまのような暑い時期は特に、冷蔵庫・野菜室での保管が推奨されています。停電などが発生して冷蔵庫が使えない場合も想定すると、安易な米袋の買いだめは禁物です。 なお、県の担当者によると、米の卸売業者や産地の情報として、新米の収穫が本格化する9月頃には、米の流通も落ち着いてくるのではないかと考えられています。 9月1日の「防災の日」を前に、今年8月は、いつか来るであろう天災への備えの重要性を改めて感じさせられました。現状に不安を感じている人も少なくないとは思いますが、冷静な対応が呼びかけられている今、「令和の米騒動」を教訓に、あふれる情報に振り回されることなく、日々、こまめに蓄えながら、防災・減災への意識を高めていきたいものです。 ◆参考 兵庫県 「【防災の実践2:備える】災害時に役立つ食糧の備え・室内安全 災害発生時72時間生き延びるために」 「いざという時の心構え災害時の食に備える」 「災害時にも役立つお米・ごはんBOOK」 農林水産省 「お米のおいしさがアップする炊き方と保存法」 (※いずれも公式HPより)
ラジオ関西