フランスでは便秘の患者に対して硬水を処方するケースも…お通じをよくしたいあなたのための「水」との付き合い方
令和4年の国民生活基礎調査によると、男性の2.5%、女性の5.1%が便秘を訴えているそう。そのようななか、「骨盤の後傾によって曲がった現代人の直腸を真っすぐに伸ばして便秘を撃退する<直腸ストレッチ>」を考案し、テレビや雑誌を通して発信しているのは、アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光さん。先日『スッキリ出る!直腸ストレッチ』を刊行された高林さんいわく、「お通じをよりよくしたいのならば、硬水を飲むとよい」そうで――。 【書影】現代人の直腸は曲がっている!?高林孝光『スッキリ出る!直腸ストレッチ 一日3分で「出口の詰まり」を取って便秘を解消するセルフケア』 * * * * * * * ◆硬水を飲む 胃が空っぽの状態で冷たい水を飲むと、胃が刺激を受け、その刺激によって腸が動きだす「胃結腸反射」が起こり、蠕動運動がより活発になります。 このときに飲む水は、もちろん水道水でかまわないのですが、お通じをよりよくしたいのならば、おすすめの方法があります。 それは硬水(こうすい)を飲むことです。 水には硬度というものがあります。硬度とは、水1リットル当たりのカルシウムやマグネシウムの含有量を表します。 WHO(世界保健機関)では、硬度120ミリグラム以上の水を硬水、120ミリグラム未満の水を軟水(なんすい)と定めています。
◆「軟水」と「硬水」 日本の水道水のほとんどは軟水です。一方、ヨーロッパの水道水は硬水です。これには、地質や地形が大きく影響しています。 日本の地質は水の浸透が速い花崗岩(かこうがん)が多く、しかも山から海までの傾斜がきつく起伏の激しい地形をしています。 そのため、花崗岩を通って濾過(ろか)された雨や雪は、山から海まで流下する速度が高いため、ミネラル成分の浸透が少ない軟水となります。 それに対してヨーロッパは、ミネラルが豊富な石灰岩が多く、山から海まで傾斜の緩やかな地形をしています。 そのため、雨や雪はゆっくりと石灰層を通って濾過され、その結果、ミネラル成分がたっぷり溶(と)け込んだ硬水になるのです。