『民衆の歌』ほか豪華な歌唱に期待高まる 現・帝劇最後の『レ・ミゼラブル』製作発表会見に総勢84名キャストが勢揃い
吉原光夫「帝劇と仲直りして終えられたら」
歌唱披露に続いて、プリンシパルキャスト26名による挨拶と質疑応答も。 ジャン・バルジャン役は2011年から務める吉原光夫、2019年から務める佐藤隆紀、初参加の飯田洋輔の3人。 吉原は「2011年の初出演の時、僕も飯田君と同じく製作発表で『独白』を“歌わされ”ました。この劇場は舞台に立つと、宇宙に飲み込まれているような感覚になる。その時のトラウマでこの劇場が嫌いで嫌いでしょうがなくなったのですが(苦笑)……でも多分本当は好きなんですよ。この大嫌いな劇場をこの作品で(自分としては)幕を閉じられるというのは意味のあることだと思う。帝劇と仲直りして楽しく終えられたら」とコメント。 佐藤もまた帝劇クロージングに触れ「スペシャルでメモリアルな公演に立てることを誇りに思います。お客さまにとってもメモリアルな公演だったなと思ってもらえるよう、一公演一公演魂込めてお届けしていきたい」と話し、飯田は歌唱披露を「緊張しました。光夫さんに『宇宙みたいに感じるだろうけど気にすんな』と送り出されましたが、歌ってる途中で手が痺れてきて、本当に緊張していたんだなと」と振り返りつつ、「この役とご縁をいただき身の引き締まる思いです。作品と台本、言葉を信じ、自分らしいジャン・バルジャンを演じていけたら」と意気込んだ。 バルジャンを追いかける刑事ジャベールは、伊礼彼方、小野田龍之介、石井一彰。 伊礼は19年から出演、小野田は前回まで演じていたアンジョルラスから役を替えての初挑戦、石井も2007・2009年に学生のひとりフイイ役などを演じていたが、ジャベールは初。 伊礼は「色々なミュージカルがある中で、やっぱり特別な作品だし、ジャベールはドシっとした格闘家のような軸が必要になる役。3年前の稽古を思い出しながら、また新しいジャベールをお見せできるよう頑張りたい」と語り、役替わりの小野田は「稽古を重ね、マインドはジャベール仕様になっていますが、染みついたものはなかなか取れず。歌稽古中も何度かアンジョルラスが歌うところで前に出そうになって、アンジョルラス役の皆さんに迷惑をかけてしまっている」と笑いを取りつつ「本当にやればやるほど、この作品の大きすぎる存在に圧倒される。全く違う角度からこの物語に身を委ねることができて、非常に興奮しているのと同時に、身が引き締まる思いです」と話す。石井もまた「16年ぶりにこの作品にもう一度立つことができて光栄に思っています。誠実にジャベールを演じていきたい」と話した。