福山雅治、本道はやはり“知的なダークヒーロー”? 有村架純との共演で起こる化学反応
福山雅治と有村架純が共演する映画『ブラック・ショーマン』が、2025年に公開されることが決定した。 【写真】福山雅治 『沈黙のパレード』場面写真 本作は、東野圭吾の『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(光文社文庫刊)を実写映画化するダークミステリー作。元マジシャンの神尾武史と彼の姪・真世が、彼女の父親が殺害されたという事件の解決に挑む。 元マジシャンの武史を福山、武史の姪・真世を有村が演じる。 福山はこれまで『ガリレオ』シリーズにおいて東野とは、2シーズンのドラマと、『容疑者xの献身』『真夏の方程式』『沈黙のパレード』と3本の映画でタッグを組んできた。再びの黄金タッグの実現ということで改めて期待が寄せられている。いったい今作はどのような点が見どころなのか。ドラマ評論家の成馬零一氏に話を伺ったところ、「福山雅治と東野圭吾作品との相性の良さを改めて感じた」と注目ポイントを挙げる。 「今回のニュースではまず、原作者・東野圭吾さんが興味深いことを話しています。『どんな主人公にしようかと考えていた頃、福山さんから“ダークヒーローを演じてみたい”と聞きました。福山さんの悪党なら見てみたいと思ったのがきっかけです』と。(※)要は“福山雅治ありき”で小説を描き始めたらしいというのがおもしろい。『マスカレード』シリーズの木村拓哉さんもそうですが、最初から映像化されることを念頭に置いて執筆しているようなエンタメ性が、東野作品の魅力の一つですよね。『ガリレオ』シリーズが長く続いたのも、こうした東野作品のある種のカジュアルさが福山さんの演技と相性がよかったからだと思います。“福山雅治”という俳優は“自分のカッコよさ”に自覚的で、そのカッコよさをユーモアを込めて演じられることが最大の武器だと思います。ラジオ番組などで見せる素の表情は、サービス精神たっぷりの親しみやすいイケおじという印象ですが、映像作品では過剰に思えるほど極端な二枚目キャラを堂々と演じることができる。“みんなが求めるカッコイイ福山雅治像”を彼はよくわかっていて、エンターテイナーとして引き受けることができるのが俳優としての圧倒的な強さですよね。2019年の連続ドラマ『集団左遷‼︎』(TBS系)のように、年相応のおじさん役を演じようと模索した作品もありましたが、2023年の『ラストマン –全盲の捜査官–』(TBS系)では同じ日曜劇場でも、ケレン味のある芝居でカッコいいヒーローを演じており、やはり福山さんの本道はこっちだなと思いました。今回の『ブラック・ショーマン』でも“福山雅治らしい知的なダークヒーロー”像への適応が、いい意味で作用するのではないかと思います」