【毎日書評】口下手でもできる交渉術|カギは、相手の話を聴くことと自分の心を整えること
普段から「ゆっくり」を心がけておこう
著者は急いでいるときほど「ゆっくり」行動することを心がけているそうです。焦ればうまくいくというものではなく、むしろ余裕を持ち、ゆっくりと行動したほうがよい結果に結びつくものだから。 決まりを気にしてきちんと守る人や真面目な人ほど、遅れてしまったら気まずい、とか、相手が怒るのでは、などのまだ起きていないことを過度に不安視してしまいがちです。でも、心配は杞憂に終わることも多いのです。あせらずに何とかなる、と思う気持ちも大切です。(203ページより) 話し方についても同じことがいえるようです。大切なのは「どのように伝えられたか」なので、たとえ怒っていたとしても、穏やかな口調でゆっくり話すことを心がけると、相手も感情的になりにくくなるということです。 そこで、交渉などの非日常的な場面でもゆっくり話せるように、ふだんからゆっくりとした口調を習慣づけるべきだと著者は述べています。余裕がないと感じたときこそ、とくに「ゆっくり行動する」という思いを心にとどめておくことが大切だということ。急ぎたい気持ちを抑え、わざとゆっくり行動するようにするわけです。 どうしても急ぎたくなる気持ちを抑えられないという場合も、ほんの少しペースを抑えてみるなど、衝動的にならないように意識してみるだけでも効果があるようです。あるいは、前述した瞑想で心を落ち着かせるのもいいかもしれません。 焦ったり急いだりしていると、相手の話をていねいに聞けなくなり、良好なコミュニケーションが困難になります。一方、ゆっくり話すことは相手への尊重を示すことにもなり、その思いは相手にも伝わるもの。ゆっくり話すことは、相手にとっても自分にとっても、精神的にプラスの効果があるのです。(202ページより) つねに相手の話を聴き、心を整えておけば、たしかにコミュニケーションは難しいものではなくなるはず。本書を参考にしつつ、できることから試していけば、無理なく苦手意識を克服できるかもしれません。 >>Kindle unlimited、99円で2カ月読み放題キャンペーン中! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 日本実業出版社
印南敦史