Apple Vision Pro人気アプリ開発者に聞く、App Store Awards受賞の手応え
「What If」は、MARVELとILM ImmersiveスタジオによるApple Vision Pro専用の空間コンテンツアプリです。映像配信サービスのDisney+で視聴できる同名のアニメシリーズとコラボした作品で、2Dのアニメ作品の世界観と連動した3D空間エンターテインメントが楽しめるところに大きな魅力があります。今のところ期間限定とされていますが、Apple Vision Proのユーザーは無料で楽しむことができます。 MARVELは、オリジナルのスーパーヒーローたちが活躍するコンテンツの世界観を、映画やコミック、ドラマなどあらゆる形の媒体に広げてきました。Fattouh氏は「その可能性を次世代の空間コンピュータによるイマーシブエンターテインメントにも広げることが、このアプリの大きな使命だった」と語ります。 Fattouh氏の開発チームは、Apple Vision ProのユーザーがDisney+が提供するアニメシリーズの世界観を同時に楽しめるように、アプリの中から各エピソードに飛べるディープリンクを配置するなど、スムーズなメディアミックスを実現するためのさまざまな工夫も凝らしてきました。 「What ifならではのコンテンツ体験として強く意識したことがあります。それは、180度の2Dビューと、360度の全天球ビューの両方の視点でストーリーの世界をシームレスに往来することで、視聴者とキャラクターたちとの結び付きを深めることでした。Apple Vision Proを装着してアプリを楽しむ人々は物語のオーディエンスであり、同時にキャラクターのひとりになりきって世界観に没入できるのです」(Fattouh氏) ■「What if」をApple Vision Proで上手に楽しむ方法 ILM Immersiveスタジオでは、Apple Vision Proのユーザーがデバイス独自のハンドジェスチャーを有効に活用しながら、物語の中で自由自在に動き回れるよう、独自開発した10種類のハンドジェスチャーをアプリの中で使えるようにしました。 Fattouh氏は、Apple Vision Proのデバイスの魅力について、次のことを挙げました。 「何より画質・音質が優れていることです。Apple Vision Proがあれば、オリジナルのアニメコンテンツを、ご自宅のテレビとオーディオシステムで視聴している感覚と変わらない、高いクオリティのイマーシブエンターテインメントに違和感なく入り込むことができます。アニメシリーズの監督であるブライアント・アンドリュース氏が、What ifアプリの各シーンの監修もしっかりと行ってくれました。アプリでも、オリジナルシリーズのクオリティが忠実に再現されています」(Fattouh氏) さらに、What ifアプリ単体でも高い没入感が楽しめるように、Apple Vision Proの優れた画質をフルに活かして水面のゆらぎや反射を忠実に再現したり、同時に複数のキャラクターが画面に登場するときの構図の作り込みも入念にしたそうです。 What ifアプリは、約1時間にわたるシナリオの中で展開されるさまざまなミッションを、時には身体を動かしながらクリアして楽しむコンテンツです。筆者も何度か最後までプレイしていますが、ゲームやイマーシブコンテンツが初めての方でも簡単に物語が進められると思います。プレイの途中で休憩を入れながらマイペースに楽しむこともできます。 「このアプリには、ユーザーが選択したシナリオに従って、2種類の異なるエンディングが用意されています。MARVELのファンがあっと驚くような特別なゲストも登場します。これからWhat ifをプレイされる方は、ラストシーンを楽しみにしてください」(Fattouh氏) Walker氏は、今後も多くの人がWhat ifアプリに触れられる機会を作りたいと話しています。 「今年の夏にイタリアで開催されたベネチア国際映画祭に『What if』アプリを出展したところ、とても高い評価をいただきました。さまざまな形でコンテンツを紹介し、ファンの方々にイマーシブエンターテインメントの魅力を伝えたいと思っています」(Walker氏)