職人さんに習おう! 革靴、ジュエリー、ガラス― 連続講座で作品作り上げる/兵庫・丹波篠山市
兵庫県丹波篠山市内で暮らす工芸作品の「作り手」と「使い手」をつなぐ活動に取り組んでいる丹波篠山クラフトヴィレッジ製作委員会がこのほど、「職人さんに習おう!」と題して、市内の職人のもとで参加者が作品を作り上げる連続講座を開いた。1回のワークショップでは感じられない、作家の個性やものづくりの面白さを伝えようと企画。「ネリオ」(同市西本荘)の革靴職人・田代慎吾さん(41)、「noof」(同市知足)のジュエリー職人・石井雄次さん(53)、「きなりがらす」(同市辻)のガラス職人・加地拓哉さん(53)が3―6回の連続講座を受け持った。 田代さんはレザーのルームシューズ作りを指導。革の裁断から穴開け、色塗り、貼り合わせ、手縫いと、連続講座だからこそできる一からの工程を説明した。 田代さんは、「新しいものを作るときは一発では難しい。『一度作ってみないと分からない現象』というものがある」などと、職人も苦労を重ねながら制作に励んでいることを紹介した。 参加した女性は、「真っすぐに裁断することが難しく、改めて職人の技術はすごいと感じ、とても楽しい時間だった。1回2時間ほどで、集中力が保てたのも良かった」と笑顔で話していた。
田代さんは、「思ったよりも皆さんの作業が早かった」とほほ笑み、「自分が作ったものだからこそ愛着を感じながら使ってもらえたら」と話していた。 加地さんは、小学生と大人を対象にガラスのビーズ・アクセサリー教室を開催。厚さ約0・2ミクロンの銀箔をさまざまな色のガラスで閉じ込めた直径10―12ミリの「ホタル玉」を複数こしらえ、ゴムひもで連結させて仕上げるブレスレット作りを指導した。 勢いよく吹き出すガスバーナーの炎に、色の付いたガラス棒をかざし、水飴のように柔らかくなるまで熱すると、直径2ミリのステンレスの芯棒に巻き付け、球形になるよう常に芯棒を水平に保ちながら、くるくると回して形を整えた。 参加した女性は、「熱したガラスはとても柔らかいので、丸い形にするだけでもすごく難しかった」と汗をぬぐった。 加地さんは、「子どもたちの中から将来、今回の体験がきっかけとなってガラス工芸に親しむ人が出てくれたら」と期待していた。