伊藤蘭が好きすぎて「腕にRANと彫った」彼の凄すぎる半生 「ラン活を始めた僕は、第2の人生を歩んでいる」
「青天の霹靂ですよ。報道で知って、『嘘だろう?』って。41年もの空白期間があったし、もう60代でしたから、歌手はやらないと思ってました」 そうして信じられない気持ちのままコンサートに参加した石黒さんは、伊藤蘭の圧倒的な現役感に打ちのめされるのです。女神が歌手として再生し、新たな「つばさ」を広げていたのでした。 「ステージが始まるとすげえ……と声が出ました。何がすごいって、歌のうまさもダンスのキレも、キャンディーズ時代と全然変わってないんです。大台に乗って、なお、この声、この動き、このキュートさ。生で見ると本当にすごい。敬服しますよ。
そして、こんな素敵な人を半世紀にわたって応援し続けた自分の目に狂いはなかったと自信がついたし、すべてにやる気が湧いてきたんです。『あ、オレ、老け込んでる場合じゃねえわ。余生だなんてとんでもない』って」 歌で復活を遂げた伊藤蘭に負けてはならぬと、石黒さんは次のコンサートから自分のオリジナルの鉢巻きやビブスやアームカバー、リストバンド、ペンライトを携え、往年のコールに気合いを入れます。 「ラン活を始めた僕は、第2の人生を歩んでいる、そんな気がします。ランが好きで、キャンディーズ解散後は彼女が出演するお芝居も観に行きました。けれどもやっぱり、僕が熱くなれるのはコンサートの現場だった。それを再確認できた。
そうそう、ソロデビュー当時はライブで鉢巻きをしてるのは自分だけだったんです。みんな照れくさいのでしょうね。そう思うからこそ、ファンの同志にも一緒に連帯感を持って熱く応援していきたくて、自分は突き抜けていこうと思いました。そうしてライブに通っていると、回を重ねるごとに他のファンも熱くなってきて、今では僕が地味なくらいですよ(笑)」 歌手復帰を祝う気持ちと、勇気づけられたお礼を込めて、自分で作詞をして歌も歌ってレコーディングした曲『微笑の恩がえし』まで、サブスクでリリースした石黒さん。キーワードは、キャンディーズファイナルライブ後楽園でランが言った言葉「私たちは幸せでした!」への感謝のお返しとしての、「僕たちは今も幸せです!」なのだと言います。伊藤蘭本人もこの頃はステージのMCで「ラン活、頼みます~!」と言っていたとかで、石黒さんのキーワードが当人にも伝わっていったようです。