お酒の害について知るべきこと8選、女性のがんから「不安」、肝臓を救うヒントまで
7. アルコールの影響は数週間で元に戻る
アセトアルデヒドは肝臓の細胞にも蓄積する。この物質がどのくらい長くそこにとどまるかによって、肝臓へのダメージの度合いが決まる。ただし、こうした影響はわずか数週間でもとに戻せるという。 つまり、2024年1月の記事で取り上げた「ドライ・ジャニュアリー(断酒の1月)」や「ソバー・オクトーバー(しらふの10月)」は、流行りの習慣というだけでなく、実際に健康効果に優れているということだ。 「肝臓は非常に高い再生能力を持っています」と、米オーバーン大学の研究者で、アルコールによる臓器損傷のメカニズムを専門とするポール・トームズ氏は言う。アルコール性肝疾患の4段階のうち、最初の3段階は、断酒のみで回復させることができる。
8. お酒を断つためのヒント
アルコールの健康への影響が明らかになる中、新たな代替飲料が登場している。人気を集めるモクテルなどのノンアルコール飲料は、食品科学の進歩により、味も向上している。 研究では、これらの飲料が実際にアルコール摂取量を減らし、健康への有害な影響を減らすのに役立つことが示されている。 また、同じく注目を集める「ソバー・トラベル(お酒を飲まない旅行)」は、だれもが新たな文化を楽しむことを(通常、ワインやビールを飲んで当然と考えられている文化圏でも)可能にしてくれる。飲酒なしのツアーを提供している旅行会社も少なくない。 「似たような人生経験を積んできた人たちと交流を持つだけで、人々は大きな喜びを感じます」と、ソバー・トラベルを提供するヨーロッパの会社「ウィ・ラブ・ルーシッド」の創業者ローレン・バーニソン氏は言う。「非常に明るい雰囲気で旅ができますし、二日酔いなしで目覚めるのは実にさわやかなものです」
文=Amy McKeever/訳=北村京子