鹿児島県 宮古崎トンネルで防災訓練 車両事故の被害拡大防げ 大島支庁ら8機関70人
奄美市名瀬根瀬部と大和村国直を結ぶ県道名瀬瀬戸内線「宮古崎トンネル」(延長2316㍍)で10日、車両の正面衝突事故と火災を想定した防災訓練があった。県大島支庁や大和村、警察、消防ら8機関約70人が参加し、発生から救助、搬送など一連の流れで連携。被害拡大防止への対応を確認した。 事故は、国直坑口から約1・5㌔地点のトンネル内で乗用車が正面衝突し、負傷者2人が車内で脱出不能に。救助後の車両火災も想定した。 訓練では、目撃者の通報を受けて駆け付けた警察官が通行規制や避難誘導を始めた。救急隊員らは負傷者の症状を確認し、特殊機材でドアをこじ開け救助。火の手が上がり始めた車両では、消防隊員が消火活動にあたった。 重傷者を乗せた救急車はドクターヘリとの連携で知名瀬漁港に向かった。鎮火後は警官が現場検証も実践した。 トンネルでの事故は通常と比べ被害が拡大しやすいといわれる。訓練後、瀬戸口淳一大島支庁建設部長は「このような事故に備え日頃の訓練は大事。スムーズな行動に非常に意義深く感じた。各機関の相互理解が深まった」と総括した。 宮古崎トンネルは奄美大島で3番目に長いトンネルとして2022年3月に供用を始めた。訓練は毎年実施しており、供用開始前を含め今回で4回目。奄美署によると同トンネルでの事故件数は、これまで自損事故1件のみだという。