交流戦中止のプロ野球は約2か月後の6月中旬に開幕できるのか?
台湾プロ野球のように無観客試合からのスタートも想定されるが、3日に行われたNPBとJリーグの「新型コロナ対策連絡会議」では専門家チームから問題点を指摘されている。3月のオープン戦、練習試合は、無観客で開催できたが、新型コロナウイルスの感染状況のフェーズは明らかに変化しており、「無観客であっても、大人数の選手、スタッフが移動する際に感染リスクがあり、また、その試合をテレビ観戦しようと人々が集まるスポーツバーなどで“3つの密“が起きてしまう懸念もある」と指摘された。 スポーツバーなどでは、入場の独自規制を促して「密閉」「密集」「密接」の“3つの密”を避けることはできるのかもしれないが、野球チームという集団が、都市間を移動する際のリスクは回避できない。無観客試合を強行する場合は、これをクリアにする明確な対策も打ち出さねばならない。 また125試合の維持にも難題がふりかかる。前述したが、足りない55試合を補うためには、交流戦の予備日、五輪用に空けていた日程を使っても追いつかない。11月7日開幕予定だった日本シリーズを11月21日開幕にずらす案が検討されており、その前にスケジュールを作ろうとしているが、ここに入れても6試合程度。ダブルヘッダーを組み込んだとしても無理がある。さらなるレギュラーシーズンの短縮か、クライマックスシリーズの短縮、或いは、中止を、次の段階として検討しなければならなくなる。 Jリーグはリーグの成立条件として全試合数の75%以上、かつ全クラブでの50%以上の試合消化を決定したが、プロ野球に、この75%をあてはめると107試合、やはりペナントレースを成立させるには100試合の維持が最低ラインになってくるのだろう。 政府は22日に専門家会議を開く予定で、その段階での今後の見通しが明らかにされる予定。それを受けNPBとJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」が23日に開かれ、同日、12球団の代表者会議も行われる。ここで開幕日を定めることができるかどうかも微妙な状況。プロ野球界は、まったく先の見えない厳しい状況に追い詰められている。