AIで自らを“白人男性化”し現代を風刺…スプツニ子! の個展『Can I Believe in a Fortunate Tomorrow? – 幸せな明日を信じてもよい?- 』に注目
映し出される白人男性はすべてスプツニ子!の容姿や声を生成AIモデルによって「白人化」し、さらにイーロン・マスクやピーター・ティールといったテック・ブロ的思考を憑依させたアバターである。「議論のテーマはAIと人間の労働、これからの民主主義、未来の幸せなどです。自分の意思で選挙に投票していると思っていても実はハッキングされているのではないか? 人類が宇宙に進出して植民地化する理由は? などを語り合っています。アメリカ大統領選の投票日直前にこの作品を発表しましたが、制作中は自分の中にある漠然とした不安に深く向き合いました」 テクノロジーに明るい未来の希望を抱いていた時代から時を経て、人類はどこへ向かおうとしているのか。議論さえもがAIに支配されている可能性に危惧を抱きながらギャラリーの外に出て空を見上げると、雲の隙間からわずかな虹色のきらめきが見えた気がした。
『Can I Believe in a Fortunate Tomorrow? – 幸せな明日を信じてもよい?- 』
開催期間:開催中~2025年1月25日(土) 休廊日:日、月、祝、2024/12/27~2025/1/6 開催場所:KOTARO NUKAGA 天王洲 www.kotaronukaga.com
文:久保寺潤子