42歳会社員、職場で「管理職」の打診を受けました。年収が「700万円」に上がるのですが、「残業代」がつかないって本当ですか? 断ったほうがよいでしょうか…?
会社から管理職への打診をもらえれば、非常にうれしいことのように聞こえますが、実際はどうなのでしょうか。一般的には年収が上がりますが、一方で「残業代がつかない」と聞くこともあるでしょう。また、近年では「管理職にはなりたくない」という意見も多いといわれます。 本記事では、管理職と残業代の関係や、管理職への昇進について解説します。ぜひ参考にしてみてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
「管理職」と「管理監督者」
「管理職」であっても、原則として残業代は発生します。一方で、「管理監督者」には残業代の支払義務がありません。それぞれの違いを押さえておきましょう。 「管理職」はあくまで会社内での職務内容(仕事の役割)に過ぎません。そのため、残業代は支給されることが原則です。 一方で「管理監督者」は「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」のことを指します。管理監督者に該当するかは、職務内容をはじめ、責任や権限といった実態によって判断されます。この「管理監督者」にあたる場合には、労働基準法において残業代を支払う必要がありません。 これが、「管理職は残業代がつかない」と言われる理由です。「名ばかりの管理監督者」になってしまうと、給与面での優遇を受けられません。 補足ですが、管理監督者でも深夜手当はしっかりと受け取ることができます。労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)の規定は管理監督者でも変わらず適用されるため、ほかの社員と同様に、22時から翌5時までの労働に対し25%以上の割増賃金を受け取ることが可能です。
給与待遇面の確認が必要
管理監督者に該当する場合には、他の従業員よりも給与面において優遇されている必要があります。なぜなら前記のように管理監督者は「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」のことを指すからです。 一般的には役職手当などで、給与面の向上が図られるでしょう。しかし管理職になったことによって給与水準が下がってしまう場合には、要注意です。役職手当が付いたとしても、他の従業員より賃金面の優遇があるのか、よく確認しましょう。