J3富山は今季初の2連勝で暫定6位浮上…故郷が水害のマテウス・レイリアが先制ゴール
◆明治安田生命J3リーグ 第14節 富山2-0FC大阪(18日、富山県総合運動公園陸上競技場) カターレ富山は、2-0でFC大阪に快勝し、今季初の2連勝。順位は暫定で昇格プレーオフ出場圏内の6位に浮上した。序盤から攻守がかみ合い、前半14分にはFWマテウス・レイリア(29)が今季初ゴールで先制。抜群のスピードで相手選手をかわし、そのままゴール前に運んで自らシュートを決めた。「相手ディフェンダーがちょっと止まる瞬間があったので、その隙を逃さず前に出られた。冷静さを保ったままシュートを打てました」と振り返った。 故郷、ブラジルの南部では、4月下旬からの大雨で大洪水が発生。帰国していたレイリアの妻はボランティアに参加し、被災者の食事や住居、衣料などで、支援を続けているという。レイリアは「私の家族は大丈夫だが、家が沈んでいる友人や知り合いもいる。水位が5メートルを越えたままのところもいっぱいある。水害のことを皆さんに知ってもらえるのは本当に嬉しいし、日本の方にも連絡や支援を頂いています」と感謝する。 ブラジルやデンマーク、ギリシャ、アルバニアなどのクラブでプレーし、21年に富山に加入。背番号10を背負い、昨季は22試合で6得点をマークした。「大変な時期ですが、自分はプロなので、グラウンドに持ち込まないように努力しています。地球の反対側にいますが、自分の出来ることを最大限にしたい」と苦しい胸の内を語ったレイリア。故郷を想いながら異国の地でプレーを続ける。(中田 康博) ○…敗れたFC大阪の大嶽直人監督「最初の入りで、前線からのプレスが弱気になり、試合が重くなった。前半からエンジンがかからなかったのは、自分のパワーが伝わらなかった部分もある。ただ、そこから挽回して攻撃的にプレーし、新しい選手もいいプレーを見せてくれたので、次に向かっていい準備をしていきたい」
報知新聞社