【潜入取材】入場料6000円、満席の会場は熱気ムンムン 上野のストリップ劇場「素人大会」は圧巻の臨場感だった
チーム「ハニートラップ」
今年8月、「日本最北端」に位置する埼玉県久喜市の老舗ストリップ劇場「ライブ・シアター栗橋」が閉館した。時代の流れとともに、日本のネオン街を彩ったナイトクラブなどが激減していて、昭和の最盛期には全国に400軒近くあったストリップ劇場も、いまや17軒しかない。そんななか、「ライブ・シアター栗橋」専属の素人チーム「ハニートラップ(ハニトラ)」が、上野で奇跡の復活を遂げたとファンの間で話題になっている。(前後編の前編) 【写真】10代、20代、30代、現在の「ハニトラ」リーダー・せいかさん。伝説のノーパン喫茶「あべのスキャンダル」時代も ***
今や上野で唯一のストリップ劇場となった「シアター上野」は、不忍池からほど近い路地にある。「ハニトラ」が初めて、そこの板にあがったのは9月の平日の昼下がりだった。薄暗い階段を降り受付で入場料6000円を払う。重たい扉を押すと、メンバー6人がすぐ目の前の小さなステージに、揃い踏みで足を上げていた。 約30もの座席はほぼ埋まっていて、ミラーボールの照明のもと、女体が目の前の舞台で躍動していた。その様子を、シニアを中心とした男たちが見つめている。女性たちは眼鏡のアイドル系に熟女系、美脚スレンダーのОL風、子猫のような小柄な者からセクシー系と多種多様だ。ほとばしる汗がふりかかり、踊り子の息づかいまで感じられるほど間近だけに、初めて足を踏み入れると目のやり場に困ってしまう。圧巻の臨場感だ。 窓口の説明によると、「素人大会」とはプロの踊り子による通常興行と違い、ダンスにストリップのほか、お客参加型のゲームで遊んだり、客席に降りてきて、会話や触れ合いを楽しむこともできる。 常連らしきキャップに白髪の年輩男性に話を聞いたところ、「素人」といっても、実際には水商売関連の女性もいるようだ。「素人」ものは、ストリップの世界では昔からある人気の出し物で、現在も続けているのは京都「DX東寺劇場」と閉館した栗橋くらいだったらしい。 また、「素人大会」といっても、ピンク色を前面に打ち出した興行と、明るく楽しいものがあり、ハニトラは後者なのだそうだ。入り口で売られている1枚500円のチケットを差し出せば、その枚数によって、よりお近づきにできるサービスまであるという。 昭和の時代、温泉地を訪れた社員旅行で大宴会場にコンパニオンを集め、ドンチャン騒ぎをやっていたのに近いという「口コミ」があった。確かに、昭和にタイムスリップしたような雰囲気を体感できる。