お付き合いの頻度を決め、ひとり温泉、ひとりごはんを楽しむ。「人生の最後にやっておきたいこと」に取り組むための人づきあい見直しアイデア
快適で心地よい暮らしを探究し続けてきた阿部絢子さん。人生の後半に突入したら、衣食住や人づきあいなどを見直して、残り時間は「自分のために使うべき」と言います(構成=浦上泰栄 イラスト=宮下和) 【写真】家事の見直しアイデア * * * * * * * ◆人生の残り時間を「やりたいこと」に使う 私は、人生の時間は5段階に変化すると考えています。第1期は5~20歳で、生きるための基礎をつくる時。第2期(20~30代)は、社会人として成長する時間。次は、知力や社会での影響力を発揮するハイライト期(40~50代)。そして、私がいる第4期(60~70代)は、人生の最終章である第5期(80代以降)を迎える前の貴重な残り時間です。 子育てや仕事から解放され、「人生の最後にやっておきたいこと」に取り組むなら、心身ともに自由がきく今しかありません。義理のつきあいで時間をムダにし、何も考えず以前と同じ方法で家事をしていたら、時間はあっという間になくなってしまう。 以下に、人生の残り時間を楽しむために私が実践している「家事、習慣、お金、人づきあい」のアイデアをお伝えします。少しでもみなさんの参考になれば幸いです。 ◆【人づきあい】おつきあいの頻度を決めておく 時間には限りがあります。誰かれと際限なくつきあっていては、自分の時間を有意義に過ごすことはできません。 とはいえ、友人がせっかく声をかけてくれたのに断りにくい、という人もいるでしょう。ならば、おつきあいの頻度をあらかじめ決めておくのはどうでしょうか。 私の場合、仕事の同僚とは年に2~3回、趣味の友だちとは3ヵ月に1回くらい。こんな感じで大ざっぱに頻度を決めています。 頻繁に誘われても、自分で決めたルールがあるとお断りしやすいですよ。
◆【人づきあい】「おもてなし」より気楽な集まりを大切に 最近、自宅に人を招くのがしんどい、という話を耳にします。でもそれは、相手をもてなそうとして頑張りすぎるから疲れてしまうのでは? 海外で友人宅に招待されて行くと、食事の量が驚くほど少ないことがあります。これではおなかが空くな~と思うけど、彼らにとって大事なのは、友人と会って会話を楽しむことなのです。 私も人を招くのが大好きで、「美味しい苺が届いたから、お茶しない?」と声をかけたりしますが、特別なおもてなしはしません。家にあるものを出して、足りなければみんなの手土産をいただけばいいし。 歳を重ねたらおもてなしより気楽な集まり。人とのつながりを大事にしたいなら、ハードルを下げることも必要です。 ◆【人づきあい】ひとり温泉、ひとりごはんを楽しむ どれほど仲のよい友人でも、死ぬまで一緒に過ごすことはできません。誰もがいずれ孤独な日々を迎える。でもそれをさびしいとは思わずにひとりの時間を楽しもうと思います。 おひとりさまごはんはもちろん、温泉に入りたい、あの宿に泊まりたいたいと思ったら、どんどん予約を入れてひとりで出かける。 70代になると、友人と外出の約束をしても病気などでドタキャンになることもしばしば。 そうなっても腐らず、ご一緒できたらめっけもの、そんな心持ちでいたいですね。