アメリカでは年収10万ドルでも十分ではない…3人の「HENRY」にその理由を聞いた(海外)
高収入には「ライフスタイル・インフレ」がつきもの
裕福には程遠いと感じているのは、高収入のアメリカ人だけではない。 カナダのバンクーバーに住む25歳のソフトウェア・エンジニア、アビッド・サラヒ(Abid Salahi)は、2023年10万ドル以上を稼いだ。しかし、彼がこの6桁の収入を得るまでには、いくつかのマイナス面もあったと、彼はメールでBusiness Insiderに語っている。 例えば、彼は大学に進学したことでソフトウェアエンジニアになることができたが、多額の学生ローンを抱えてしまった。ローンの残金は3万ドル(約465万円)ほどで、数年にわたる返済では、この学生ローンの返済が毎月の痛い出費になっているという。 サラヒによると、高収入には別の課題も伴うという。それは「ライフスタイル・インフレ」だ。一般的に「ライフスタイル・クリープ」と呼ばれるこの現象は、収入が増えるにつれて支出も増えてしまい、そのため貯蓄が増えないことを指す。 「適切な管理を行わないと、支出の増加によって、収入が増えた分も吸収されてしまい、低い給料だったときと同程度の貯蓄しか残らない」とサラヒは話している。 サラヒの住む地域では住居やその他の生活にかかる費用が高いため、裕福な気分を味わうにためは、20万ドル(約3100万円)から30万ドル(約4650万円)の収入が必要だと彼は見積もっている。 「本当に自分が豊かだと感じるということは、レストランや食料品店、旅行に行ったときにその値段を見る必要がないということだと思う」と彼は言う。 「そして非常事態に備え、かなりの額の貯蓄や投資があることだと思う」
Jacob Zinkula,Andy Kiersz