【問われるバイデンと岸田の外交】インド太平洋というレガシー、日本でも正しい評価を
ブリンケン国務長官、オースチン国防長官、サリバン安全保障補佐官が連名で、2024年8月5日付のワシントン・ポスト紙に寄稿し、バイデンのインド太平洋外交は多くのことを達成し、バイデン政権の最も重要なレガシーだと述べている。 米国にとり、インド太平洋ほど重要な地域はない。しかし、この地域での米国の地位は、バイデンの大統領就任時には数十年振りの低さで、同盟国やパートナーは、米国が信頼できる友でなくなったことを恐れていた。中国は、益々攻撃的になり、米国が内向きになったことを利用して、自国に有利で米国の利益に敵対する世界観を押し進めていた。 そこでバイデンは、我々にこの地域に対するアプローチを抜本的に変えるよう指示した。その多大な成果は、バイデンとハリスの外交戦略の中で、最も重要でありながら、ほとんど知られていない物語の一つだ。 第一に、従来の「ハブ・アンド・スポーク」の外交モデルを統合し、相互に関連したネットワークに発展させた。我々は、豪英米の間でAUKUSを立ち上げた。 バイデンは、歴史的に難しい関係にある日韓を集め、キャンプ・デービッドで三国首脳会議を開催し、三国の間で前例のない防衛と経済協力を促進した。日比を交えた初の首脳会議を開催し、条約に基づく同盟国との新たな三国間パートナーシップを築いた。 我々は、豪印日米からなる「クアッド」を強化した。インド太平洋経済枠組み(IPEF)を創設し、安全なサプライチェーンの構築や重要技術の保護等現代の経済的課題に対応できるようにした。東南アジア諸国連合(ASEAN)とPIF(太平洋諸島フォーラム)という二つの重要な地域機構と初めての首脳会議を米国で開催した。 第二に、我々は同盟国等と緊密に協力し、共通の課題に共に立ち向かった。これらは我々の力を強化し、我々の力を発揮させる。今日、それはインド太平洋地域で顕著だ。 例えば、日本は防衛につき歴史的な意味合いを持つ投資を行い、韓国は東南アジアへの投資を拡大する新戦略を採用した。豪州は、太平洋諸国が気候変動や中国からの経済的圧力に対してより強靭になるために、新たな資源を投入している。フィリピンは軍事力を近代化し、南シナ海での中国の高圧的行動に立ち向かう能力を高めている。米印は、半導体、クリーンエネルギーなど、未来を形作る分野で共に投資を行っている。