トップシークレットマンしのだが語る、大胆すぎるマッシュアップ、100 gecsからの影響
承認欲求を満たすっていうよりは、自分は音楽しかできない
ー楽曲制作は独学で? シノダ:完全に独学ですね。1回、音大に行こうと思って試験を受けて受かったんですけど、結局、入学式に行く前、辞退して。だから、人に教えてもらう感覚はずっとなかったですね。僕は、結構音感はあると思っていて。あと、メロディだけはすごく自信があるんですよ。なので、楽譜とかに書き起こして理論と照らし合わせてやっているわけじゃなくて、鼻歌でメロディを歌いながら、ギターを弾いて作っているぐらいで。めっちゃいいメロディを書けると思っていたので、人に習うっていう気持ちはまったくなかったですね。 ー辞退したとはいえ、音楽理論などは勉強したんですか? シノダ:音楽理論でいうと、例えば楽典で今でも文字媒体の教科書を使っているじゃないですか? それが本当に苦手で。今でこそシンセサイザーの使い方とかで文字を見たり、文章の動画とかを見て学べるんですけど、やっぱり楽典だけは自分の中で本当にはまらなくて。5ページ目ぐらいまで読んでそのままだったので、ほぼ勉強はしなかったですね。 ー実際に機材を触ったりする中で知識を培っていったと。 シノダ:そうですね。あと、学校に通っていなかっただけで、友達だったり、先輩だったり、いろんな人とのディスカッションが、イコール学校に行く行為みたいな感じだったのかもしれないです。なので、完全に独学ってわけではないとは思うんです。 ーちなみに制作するときは、どんな機材を使っているんですか? シノダ:それこそMACでDTMを立ち上げて、ドラムも打ち込みだし、ギターは自分で家で弾いて、それ以外もほぼ打ち込みです。 ートップシークレットマンって、ライブと音源の印象も結構違うなと思うんですね。ライブと音源の部分では、どう接続して考えているんでしょう? シノダ:もちろん最初は、ライブで音源通りできたらいいなって感覚でやっていたんですけど、今のメンバーになって1年半くらいライブをやっていて思ったのは、全く違うものだなってことで。2ミックスの音源は2ミックスの音源作品だし、ライブでやっている音は、例えばMCバトルとかでDJの人が音源をかけてバトルするじゃないですか。それが、たまにバンドセットになったりするみたいな感覚です。音源にバンドセットがつきました、みたいな、そんな感覚かもしれない。その中で、ライブとしてのかっこよさをちゃんと出せるように、毎回ずっと音を気にしながらやっているし、メンバーもみんなキャラクターがいいので、みんなのことを信頼して任せていますね。 ーライブでの集客も増えてきていると思うんですけど、そこはどう捉えていますか? シノダ:もちろん嬉しいですよ。なんですけど、僕は、いろんな人にちやほやされて承認欲求を満たすっていうよりは、自分は音楽しかできないって、いっときから思っちゃって。時間が経つごとに、どんどん真実味が増してきたみたいな状況なんです。だから、数字が増えてきたことは嬉しいけど、それ以上、特に何も思っていないみたいな感じですね。結局、俺にはもう、これしかないからみたいな。 ーただ、数字は音楽がリスナーに刺さっている、わかりやすい指標でもありますよね。 シノダ:それって、僕の中ではX(旧Twitter)でいいねをされるのと同じで。だって、Xで「ちんこ」って言って、めっちゃいいねつくこともあるじゃないですか? それは音楽でも別にありえるというか。そういうことなのかなと思います。