【体験談】「英語だけで受験したい」…苦労した高校留学後の大学選び 情報戦で勝ち抜く
毎週のように上京 心身ともに疲れ果てた受験期
当時の公募制推薦の選考は、10月頃から始まりました。10月初旬に立命館大学グローバル教養学部の選考があり、合格。まずはホッと一安心しました。 続いて、10月下旬から11月下旬にかけて、本命の早稲田大学や上智大学の国際教養学部の選考がありました。毎週、関西から上京する受験スケジュールだったので体力的にもきつく、緊張によるストレスもあり、後半になるほど娘の気持ちが不安定になりました。10月中旬には体調を崩して声が出なくなるトラブルもあり、親としてはいつも以上に食事に気を使い、栄養面で支えるようにしました。また、東京という慣れない土地での大学受験なので、道に迷ったり何かトラブルに遭ったりしてはと心配で、付き添って上京しました。 12月初めに発表された受験結果は、早稲田大学、上智大学ともに残念ながら不合格。娘の落ち込みようは相当で、急いで公募制推薦で受けられるほかの大学を探したり、一般入試(現・一般選抜)でもう一度早稲田に挑戦する、浪人するといった選択肢を模索したりしました。 最初は不合格に落ち込んでいた娘でしたが、第1志望の早稲田大学を受験した際、少し違和感を覚えたと言い出しました。キャンパスを実際訪れてみたら「自分とは色が合わないかもしれない」と感じたそうです。一般入試や浪人をしてまで再挑戦するのはやめて、縁をいただいたオーストラリア国立大学とのデュアル・ディグリー・プログラム※のある立命館大学への進学を決めました。 ※立命館大学で3年間、オーストラリア国立大学で1年間学修し、4年間で2大学の学位取得を目指すプログラム
海外大学の学位を武器に、卒業後はCAに
娘は大学4年になり、春から外資系の航空会社でキャビンアテンダント(CA)として働く予定です。いくつか内定をもらった中で、「CAに挑戦したい」と航空会社を選びました。 今、振り返ると、進学したのが立命館大学で本当によかったと思います。入学後、新型コロナウイルスの感染が拡大し、大学にはしばらく通えませんでした。東京の大学に進学していたら、たった一人でだれとも会えず、大変だったでしょう。 立命館大学グローバル教養学部は、オーストラリア国立大学への長期留学が必須で、卒業と同時に両方の大学の学位が取得できるのもメリットでした。海外の大学の学位を持っているというのは、就職活動でも大きくプラスに働いたようです。 大学受験で総合型選抜や学校推薦型選抜を考えるのであれば、準備開始は早ければ早いほどいいと思います。留学から帰国した高2夏からの準備では、少し遅かったと感じています。行きたい大学や、希望する入試方法が決まった段階で、親子二人三脚で早めのリサーチをするのがおすすめです。 また、志望大学には一度、足を運んでおくのが大切だと感じました。遠方の大学を志望する場合、なかなか難しいとは思いますが、娘のように実際に訪れてみたら「自分の色とは違った」と感じることもあります。その後の大学生活や就職にも大きく影響するので、入試の条件だけで大学を選ばないことが重要だと思います。
朝日新聞Thinkキャンパス