【体験談】「英語だけで受験したい」…苦労した高校留学後の大学選び 情報戦で勝ち抜く
「授業はすべて英語で行われ、長期留学が必須の大学で学びたい」。早い段階から、大学で何を学びたいかが定まっていた娘を、親子二人三脚で伴走した関西在住の田岡知子さん(仮名)。高校時代の長期留学から帰国後の大学受験には、苦労がありました。公募制推薦(現・学校推薦型選抜)で、立命館大学グローバル教養学部に合格するまでの道のりを聞きました。 【写真】日本の大学で海外の学位を取得 「ダブル・ディグリー」で求められる学力レベルは?
「将来は英語を使った仕事をしたい」と、娘は小さい頃から英語の勉強を頑張ってきました。中学受験の時点で英検2級に合格していたので、英語教育に強い私立中高一貫校に進学しました。 高校では、学内選抜を経て1年の秋から1年間、アメリカに留学。帰国後は2年生の学年に戻りました。そのため、大学受験の準備は帰国後の高2の6月からスタートしました。いろいろと考えた結果、「授業がすべて英語で行われて、受験教科が英語だけの大学」を目指したいということになりました。というのも、高校で1年間留学して、英語力が伸びる一方、その他の教科の勉強は1年分すっぽり抜け落ちてしまったからです。英語を武器に受験するとなると、私立文系でも英語以外に国語、社会の勉強が必要となります。娘は世界史を選択していましたが、1年間、受験に必要な世界史を学んでいないのはかなりのハンディで、高2の夏から勉強したのでは、間に合いそうにありません。そこで、英語のみで受験できる公募制推薦(当時)に絞った大学選びを始めました。
大学受験の情報収集は子ども任せにしない
受験教科が英語のみで、入学後の授業もすべて英語で行われる大学は増えていますが、まだまだ限られています。そのため、条件に当てはまる大学選びには苦労しました。 娘は最初、上智大学国際教養学部に興味があったようです。出願に必要なTOEFL iBTも高校2年から受け始めたところ、高3になる頃には安定して点数が伸びていました。そして、試験傾向が近い早稲田大学国際教養学部も視野に入るようになりました。 実は、長期留学が必須の早稲田大学国際教養学部は、留学費用に600万円もかかると聞いていたので、最初は候補に入っていませんでした。しかし、私立大学の合同説明会に行った際、早稲田大学のブースで質問してみたところ、そこまで高額にはならないとわかったので、志望することにしました。地元・関西の大学も受けておきたいと、自宅から通える立命館大学グローバル教養学部を加え、志望校がほぼ固まりました。 早稲田大学国際教養学部のこともあり、大学受験に関してはリサーチが本当に大事だと思いました。娘も主体的に調べていましたが、どんな教科で受験できるのか、受験に必要な英語民間試験の基準は何か、出願はいつまでか、受験日が重なっていないかなど、細かいところまでは目を配れません。そこを私がフォローして、「早稲田大学と受験日が重なるから法政大学には出願できないね」などと伝えるようにしていました。