関西万博で富山のすし食いねぇ 富山湾、立山連峰を体感型上映 6月、県ブースで試食
大阪・関西万博で富山県が出展するブースの構成が31日までに固まった。県のブランディング戦略「寿司(すし)といえば、富山」をアピールするため、すしの試食、体感型上映システム「4DX」によって富山湾、立山連峰の景観や音、においを臨場感たっぷりに表現する。国内外から訪れる大勢の来場者に富山の自然の恵み、食文化、伝統工芸を五感で堪能してもらい、誘客につなげる。 県は万博期間中の6月27~29日の3日間、自治体や企業が地球規模の課題解決に向けたアイデアを持ち寄る「テーマウイーク」の一環で、「健康とウェルビーイング」と銘打ち出展する。 県ブースの広さは約700平方メートル。正面玄関では、富山の特徴である標高差4千メートルのダイナミックな地形を、立体的な構造物や映像を駆使して表現する。 すしの試食コーナーに4DXを活用し、壁に富山湾で泳ぐ魚や立山連峰の映像を映し出す。海の音やアロマの香りも用い、没入体験を楽しみながらすしを味わえるよう工夫を凝らす。 国指定伝統的工芸品の展示やワークショップのコーナーを設け、富山で育まれた食や工芸文化を一体的に伝える場とする。 県が主要都市圏在住者を対象にした「すしでイメージする都道府県」の調査で、東京や大阪の49歳以下の女性で「富山」と答える人の割合は低かった。 県は30~50代の女性に照準を合わせた体験型旅行プランを造成し、すしを切り口にした誘客策を進めており、「寿司といえば、富山」の浸透に力を入れる。 県の担当者は「最新技術を用いた映像で、来場者に富山のすし文化を深く印象付けたい」と話した。 ★大阪・関西万博 2025年4月13日~10月13日に大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で開く国際博覧会(万博)。コロナ後の新たな時代に向け、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」とした。来場者は約2820万人、経済効果は約2兆円と見込む。参加する国・地域は約150に上る。 ★「寿司といえば、富山」 2023年に富山県が打ち上げたブランディング戦略。すしを入り口に、富山の食や酒、工芸、自然などの幅広い魅力を県内外に広め、関係人口の拡大につなげる狙いがあり、今年度は「富山ファン」を公言する俳優石原良純さんを起用したPR動画を作成した。「県外認知度90%」と「すしを積極的に勧める県民の割合90%」を目標に掲げている。