「YOASOBI」NY単独公演をレポート! ファン6000人が「UNDEAD」「アイドル」「夜に駆ける」に熱狂
世界的に注目を集める日本の音楽ユニット「YOASOBI」が8月6日(現地時間)、90年以上の歴史を誇るアメリカ・ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで単独ライブ公演を行った。 【フォトギャラリー】ライブの様子 今年の4月には「Coachella Valley Music and Arts Festival」、8月には「Lollapalooza」と全米を代表する大型フェスへの出演を果たしてきた「YOASOBI」。ラジオシティ・ミュージックホール公演は嵐のような豪雨に見舞われながらも、約6000人のファンが集った。本記事では、その模様を詳細にレポートしていく。(取材・文/細木信宏 Nobuhiro Hosoki) 午後8時から行われた公演では、現地在住の日本人観客だけでなく、「【推しの子】」のTシャツを着たアジア系アメリカ人や白人のファンの姿も。アニメとのつながりやソーシャルメディアでの宣伝効果もあり、「YOASOBI」の人気がアメリカ国内で本格的に上昇していることがうかがえた。 ホールでは「夜遊」とデザインされたTシャツ&タオルなどのグッズも販売。購入者が長蛇の列をなしていた。 「YOASOBI」は、2019年のデビュー以来、本格的な成長を経て、正真正銘の“日本のアイコン”となった。フェスへの出演、数々のコラボレーションや受賞など、これまでの5年間でバイラル的に成功を収めたものの、今回の公演が初めてのニューヨークでのパフォーマンスとなった。チケットはソールドアウト、劇場は満席――ファンが、彼らの渡米を待ち望んでいたのは明らかだった。 赤い照明をバックに、1曲目として披露したのは「UNDEAD」。アニメ「『物語』シリーズ オフ&モンスターシーズン」の主題歌として起用されているアップビートで熱狂的な楽曲だ。「YOASOBI」の登場に、ファンは総立ちで歓迎。バンドもアグレッシブな演奏でボルテージを高めると、次々に「祝福」「セブンティーン」などを繰り出していく。スローでソフトな「優しい彗星」に至るまで、各楽曲は、演奏とシンクロしたレーザー、鮮やかなLEDディスプレイ、背景のアニメーションで彩られていった。 ライブの途中、コンポーザーのAyaseが「I Wrote a Letter(僕は手紙を書いた)」と発言し、手紙をファンの前で読み上げた。 「Thank you so much for coming Today.This is our very first solo concert here, so I was worried if we could even sell tickets. But I'm very happy to be here with you. Oh, and we sold out. Thank you!」 (日本語訳:本当にありがとう、ニューヨーク! ここでの単独コンサートは初めてだったので、チケットが売れるかどうか心配でした。でも、こうしてみなさんとご一緒できてとてもうれしいです。あ、それと完売しました、ありがとう!)」 さらに「日本語がわかる人もいるかもしれないので、日本語でも良いですか?」と観客に尋ねたAyase。「100年近い歴史のあるこのステージで、こうやってワンマンをやることができて、ソールドアウトすることができて、本当に嬉しいです。Thank you, ありがとう!」と頭を下げ、再び英語で言葉を紡いだ。 「I walked around a little bit and New York is a wonderful city. One of my favorite city so far, I guess I really like this city. Enjoy the show to the fullest. Let’s get down together, and make it a perfect night!」 (日本語訳:ニューヨークを少し散策して、素晴らしい街だと思いました。今までで一番好きな街のひとつで、僕はこの街が本当に好きなんだと思う。(観客の皆さん)ショーを存分に楽しんでください。一緒に盛り上がって、パーフェクトな夜にしましょう!)」 満を持して披露されたのは、アニメ「【推しの子】」主題歌の「アイドル」。レーザー、フォッグ、ストロボ、3Dメガネを駆使したショーと、ikuraの変幻自在なボーカルが観客を魅了し、場内のボルテージは最高潮に。ikuraと共に“熱唱”する者もいたほどだ。 ボーカルのikuraは、ニューヨークでの体験を振り返った。 「Thank you so much for coming, Today!I would like to share a story from my childhood. In elementary school, I acted in musical theater group when I was 9, I had an opportunity to perform at The Kaye Playhouse in New York, I only had 3 lines. But the experiences is still fresh in my mind. It feels like dream to be back in New York as a singer and perform the songs at amazing theater in front of so many fans, thank you so much! I believe not giving up on my dreams is what made this moment possible, it brought me here today. So, this is the very message of next song, sing along with us, ok!」 (日本語訳:今日は、来て頂きありがとうございます! 私の子どもの頃の話をしたいと思います。小学生の頃、9歳の時にミュージカル劇団に所属し、ニューヨークのザ・カイ・プレイハウス(ハンター・カレッジ大学)で公演する機会を得ました。今でも、その経験はまだ記憶に残っています。そしてシンガーとして、ニューヨークに戻り、素晴らしい劇場でたくさんのファンの前で歌を披露できるなんて夢のようです! 夢をあきらめなかったからこそ、今があります。だから、そんなメッセージが次の曲に込められているので、一緒に歌ってください) そうして「群青」を披露してから「HEART BEAT」へ。その後、演奏が終わると「YOASOBI」はファンに感謝を告げて、ステージを去った。しかし“代表曲”が披露されていない――ファンの“アンコール”を受けて、再びステージに登場すると「夜に駆ける」を披露。圧巻のパフォーマンスで会場を揺らした「YOASOBI」。演奏が終わっても、拍手は鳴り止まないままだった――。 【セットリスト】 1. UNDEAD/2. 祝福/3. セブンティーン/4. ハルジオン/5. 好きだ/6. たぶん/7. Biri-Biri/8. ミスター/9. もしも命が描けたら/10. 優しい彗星/11. ツバメ/12. アイドル/13. 勇者/14. 怪物/15. 群青/16. HEART BEAT/En. 夜に駆ける