市場問題PTによる築地市場内の事業者へのヒアリング(全文1)検討課題とは
PTの検討課題について
そして前回のPTで予告をいたしました、PTとして何が検討課題かということの1つであります。これが、まず第1が、水産仲卸売場の入り口のヘアピンカーブのところでございます。ピーク時にこの道路を車が入ったり出たりをする。このときに安全で円滑な運行ができるかどうかということが、まず第1であります。 第2であります。次、お願いします。水産仲卸売場の中のスロープであります。勾配は10%ということでございますが、ずいぶんと長いスロープでございます。そしてそのスロープの先は、次、お願いします。ここもヘアピンカーブになっておりまして、3列、上りが2車、下りが1車でございますが、このピーク時、多くのターレが動いているときに、このカーブを安全かつ円滑に曲がりきれることができるだろうかということも、実際にターレを運転して、あるいはフォークリフトもあるかもしれませんが、運転をされる方々がどうお感じになるかという実際の感覚をお聞きしたいと思いました。 マンションを見るときに、今、男女平等かもしれませんが、旦那さんが台所の設計はどうのこうのと言っても始まらないわけで、実際に台所で料理をする奥さんの意見を聞かないと分からない。同じように実際にターレを動かしたり、あるいは自動車を運転される方々のご意見はどうだろうかということをお聞きしたいと、こういうことでございます。 次、お願いいたします。もう1つ、左は、これも「疑問解消BOOK」です。なぜ築地の再整備が駄目かというところで出ていますのは、重層化をすると。売り場の重層化をすると不都合が生じると。1つは物流効率の著しい低下、2つ目はコストの増大ということを言っておられます。豊洲市場はどうか。豊洲市場も実は重層化されております。ということは、ここで指摘したことは豊洲市場にも当てはまるということでございますので、場内物流が築地に比べてどのくらい時間がかかるのか。これは、場内に滞留する車がどのくらいかということに関わってまいります。例えば7街区の4階から6街区の4階までターレで荷物を運ぶとどのくらい時間がかかるのか。今、築地ではどうなのか、などでございます。 それからもう1つの私どもの、次、お願いします。知りたいというか、検討しなければならないのは、買い回りの動線はどうなのかということであります。過去の経緯を調べてまいりますと、基本計画、左の絵ですね。基本計画では水産仲卸が7街区にあって、6街区の水産卸、5街区の青果の中間にございました。これが実施計画のまとめという段階でひっくり返りまして、水産仲卸が6街区、水産卸が7街区ということになりました。このことによって設計上、水産と青果の買い回りをどうするのか、その動線はどうなるのかと。あるいは桟橋を使って、卸のほうに荷物を入れるということで6街区に桟橋があるわけですが、桟橋はそのまま使って、造っております。これはどういうふうに活用されるのか、いうようなことを検討したいと思っております。 22ページお願いします。先日の知事の記者会見で明らかにされておりますが、建物を設計する場合に、通常、最近ですが、ライフサイクルコストというものを出します。第一に建設費、それから四十数年かかるとすると、その間の建物、あるいは設備、替えなければいけません。その建物、設備の維持管理費用がいくらになるのか。そして日々のランニングコストがいくらになるのかということでございます。 建設費は2752億円ということで出ておりますが、建物、設備の維持管理費用は東京都が積算をするということで、まだ分かっておりません。これらの費用は、市場会計は独立採算が基本でございますので、使用料の積算に反映するということになります。それから日々のランニングコストでございます。これは確定値ではございません。築地の今、27年度決算は見込みということでございますが、警備、施設等、それから電気、水道などなど入れまして、1日当たり430万でございます。豊洲はいくらかということで、これも概算値でございますが、1日当たり2100万円でございます。おおむね5倍でございます。これは利用者が負担していただかなければなりません。こういうことで、はてなという、いろんな先ほどの漫画でちょっと描きましたが、こういう諸元が今、明らかになってきております。 次、23ページをお願いします。で、この減価償却等で使用料に反映していく建物の値段は4年間で建設費が突出して増加をしております。これが問題であるということは、1つにはその経過がどうなのかということではございますが、この費用は最終的には業者の皆さまの使用料に反映するということで、この建物の高騰ということが問題だということでございます。次、お願いします。 前回、専門家会議に出席をさせていただきました。何人かの方々が築地に残りたいということで、いう発言がございました。では築地というのはどうなのかということの経過を見てまいりますと、かつての築地再整備計画、平成2年の中央卸市場のパンフレットを見ますと、こういう絵が描いてあります。歌舞伎座のタワーみたいなのがあったりして、こういうことで事業費が3400億円掛かると、こういう計画でございました。次、お願いいたします。 当時の豊洲新市場と現在地再整備の比較がございます。この中で築地市場跡地の売却収入については注意が必要ということが書いてあります。これはそれを過大見積もりすると残りの部分が使用料の増大というふうにつながってくる、業者負担になってくるということで注意を促しているということでございます。次のページをお願いいたします。 そのときの資料でまいります。これは「疑問解消BOOK」ですけれども、なぜ築地の再整備が駄目だったかということについて左の赤い四角の中ですが、工期の遅れ、業者、業界調整の難航、整備費の増大というようなことが挙げられております、次、お願いします。 次のところ、左に絵がありますが、再整備をするには種地が必要だということがあります。で、これを要約してみますと右の上に書いてありますが、種地が確保できない、時間と費用が掛かる、業界調整が難航というのが当時の説明でございます。築地に残る、こういう議論、場合にはこの問題を解決しなければならないということでございます。 次でございますが、築地市場の補修と知事が申し上げました。これは築地も豊洲も都の行政財産でございます。家主の責任がございます。補修に関しましては検討事項として、屋根の雨漏り、排水溝の目詰まり、海水濾過装置、路面の、道路のでこぼこ、電気配線、トイレ、ターレの不法投棄、自転車、駐車場の整理などいろいろあるかと思います。どんなものがあるかを見て、計画的に行うのが効率的だろうと思っております。一番大きな問題、これはPTの中で構造の問題を議論したときに、築地の耐震、この問題も大きな課題であるという中でのご意見があります。これも検討ということでございます。 以上がPTがいったい何を考えているのかということの説明でございます。最後でございますけれども、本日、実態に即してご意見をお聞きしたいことと、要望書などをいただいておりまして、そこからも例示をさせていただきました。施設の安全性、機能性ということで、建物の設備、交通アクセス、場内動線、それから店舗や冷蔵庫等の配置、海水の話もございました。具体的なお話、ご意見をお聞きしたいということでございます。 以上、PTの紹介とPTの役割、知事への報告書を作んなきゃいけないということと、検討として何を考えているかということについてご説明を申し上げました。 【連載】市場問題PTによる築地市場内の事業者へのヒアリング