致死率50%の場合も!ペットの熱中症 解決の糸口となる「ペットタクシー」立ち上げは意外なきっかけ
遺品整理をメインで事業展開する会社のアルバイトから取締役に大抜擢された森山友祐子さん。遺品を整理する現場でペットの惨状を目の当たりにし、ペットの火葬サービスをスタートさせました。さらに、今年8月からは国内でもめずらしいペットタクシー事業にも参入。いったいどんなきっかけがあったのでしょうか。(全2回中の2回) 【写真】ペット専用に改良された車両!ゲージなしで乗れる「ペットタクシー」驚きの実態(全13枚)
■ペットの火葬サービスの現場で気づいた“ペットの移動問題” ── 2024年8月からペットタクシー「ハピネス」のサービスをスタートされました。ペットに特化したタクシー事業を始めようと思われたのは、なぜでしょうか?
森山さん:ペットの出張火葬サービスを運営するなかで、「最期」だけではなく、生きている間もペットと飼い主さんが幸せに暮らせるようなサービスを提供できないだろうかという思いがありました。そこで、飼い主さんの困りごとをリサーチしたところ、浮かびあがってきたのが移動の問題だったんです。 特に都心部では、車を所有する人が少なくなっていて、動物病院やトリミングに連れていくときの足に困るという声も。公共の交通機関を利用する場合は、「吠えたり鳴き声を出したりしないかな」とヒヤヒヤしてしまったり、「トイレは大丈夫かな」などとペットの様子も気になってしまう。タクシーでの移動も、ニオイや抜け毛、運転手さんのアレルギーの問題で乗車を拒否されたという経験も聞かれます。さらに、近年、問題になっているのが「ペットの熱中症」です。
■深刻なペットの熱中症…緊急受診のうち50%は死に至る ──「熱中症」は、人間だけの問題ではないですよね。記録的な猛暑が続いていますし、まだまだ残暑も厳しいので、ペットの飼い主にとって気になるところです。 森山さん:日本気象協会の調査(2019年)によると、ペットを飼っている4世帯に1世帯がペットの熱中症を経験しているそうです。体が毛で覆われているペットたちは、人間のように汗をかいて温度調節をするのではなく、呼吸によって体温を下げるので、人間以上に熱中症になるリスクが高いと言われているんですね。