星野源、野木亜紀子の“眼差し”を絶賛 『スロウトレイン』脚本を読み“ボロボロ涙”に
2025年1月2日21時よりTBS系で放送される新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』の制作発表会見が12月10日に行われ、主演の松たか子、多部未華子、松坂桃李、星野源、チュ・ジョンヒョクが登壇した。 【写真】松坂桃李の発言に爆笑する多部未華子 本作は、野木亜紀子脚本によるオリジナル作品。鎌倉に住む葉子(松たか子)、都子(多部未華子)、潮(松坂桃李)の姉弟を中心に、“家族の在り方”を描く新時代のホームドラマ。 「とても温かいドラマができたお知らせです」とほほえんだ松は、「私は地に足の着いていない役が多いものですから、こんなにリアルなしっかりした人を演じられるかなと。でも、本当に面白いホンで、こういうドラマをやらせてもらえる、声をかけてもらえることはとってもラッキーだなと思いました」としみじみ。キャスト陣もそれに共感し、多部、星野も「幸せな時間だった」と撮影を振り返った。 恋人役をはじめ、これまでに「いろんな間柄を演じてきた」という多部と松坂。多部が今回演じた“弟を道具のように扱う姉役”が「一番しっくりきた」と笑うと、松坂も「僕も思いました」と大爆笑。 自身も女姉妹に囲まれて育ったという松坂は「本を読んでいても、自分の話題が出ないようにしながら姉たちと会話する感じが、自分の感覚とちょっと似ていて。役作りは、ある種出来上がっていました」といい、「(松と多部が姉という設定が)贅沢すぎるといいますか。どんなに雑に扱われても居心地が良かった」と笑顔を見せた。 星野は「松さんとは空耳アワードでご一緒させてもらってたんですけど(笑)、お芝居は初めてなので、それもすごく楽しくてうれしいことでした」とし、「野木さんの作品でいつも思うのは、眼差しがすごい好きだなって。今の世の中を見ている眼差しと、こうあってほしいという眼差しと。作品の中に、そういう眼差しがふわっと透けて見える作家性みたいなものを感じて、いつも胸がいっぱいになるというか。今回の脚本を初めて読んだときにも、ボロボロボロみたいな」と涙したことを回顧。「悲しいことがあるとか、スペクタクルなことが起こるわけでもないんだけど、野木さんの話だなと思って。新たなホームドラマと言われている感じもすごくわかる」と続けた。 日本ドラマ初出演のジョンヒョクは、クランクインの1カ月前から日本語を猛特訓。「一人で練習していたので、いざ相手役がいたときにちゃんと会話になっているのか。ユンスがこの言葉を喋るときに、どんな感情で、どんなところに抑揚がつくのかをすごく心配していました」としながらも、「最初の撮影のときには若干浮ついていたかもしれませんが、自分が思っていたよりも、ユンスという役が相手役とうまく溶け込んで撮影できたのではないかと思います」と手応えを感じた様子。 相手役を演じた多部が「会話なので、毎回毎回『どうだった?』『大丈夫だった?』と質問しに来てくれて。日本語にも、日本の撮影環境にも、誠実に向き合っていらっしゃるなと尊敬しました」と賛辞を送ると、「ありがとうございます」とうれしそうに笑みを浮かべた。 印象的だった撮影を聞かれた松は、星野演じる百目鬼とのシーンを挙げ、星野も「ぜひ観てほしい」とアピール。多部は釜山での撮影が印象に残っているというが、ほとんどがネタバレになってしまうため、「ユンスといろいろあるんですよ。そこのシーンは全部好き」とざっくり報告。それを聞いて「私(葉子)が一番何もないんです。平常運転」と自虐気味に話す松だったが、星野は「ちなみに言うと、僕だけ釜山に行けなかったんですよ。だから、一番釜山エピソードがないのは僕。すごく行きかった。話を聞いて、いいなぁって……寂しかった」と本音をこぼして笑わせた。 また会見では、新春ドラマにちなんで“お正月のルーティーン”を語る一幕も。松坂は「餅つきですかね。友人の家族とうちの家族と合同で、餅つき大会を数年前からやってます。臼とかレンタルしてやるんですよ、楽しいですよ」とプライベートな一面を披露。MCからの「何で食べるのが好き?」との問いに、「うーーん……きなこぉかなー」と絞り出すように答えると、「そんなに熟考して?」と星野からツッコミが。 一方、星野と松は「お屠蘇(とそ)を飲む」、多部は「毎年同じメンバーで初詣に行く」、ジョンヒョクは「親戚に会いに行って、トック(お餅入りのスープ)を飲む」と、それぞれに新年の過ごし方を明かして盛り上がった。 あらためて松は「土井(裕泰)さんの素晴らしい温かい演出と、まずは野木さんの細やかな本で成り立っているドラマができました」と語り、「どこか“寂しさ”と一緒に生きていく。(ドラマには)そんなことを私たちに投げかけるようなムードが漂っている気がしてなりません。“寂しさ”と一緒に生きていくべき私たちの課題を、ちょっとだけお正月にふと立ち止まって考えていただけるような、そんな時間になれば。そしてまた、生きて、生きて、生きていきたいなと思っております」とメッセージ。最後は「良いお年を!」と締めくくった。
nakamura omame