韓国大統領、3度目の出頭要請にも応じず 「捜査権ない」と主張
【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦大統領は29日、尹氏が宣布した「非常戒厳」について内乱容疑で捜査している捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」などの合同捜査本部が取り調べのために同日午前に指定した出頭要請に応じなかった。尹氏が公捜処への出頭を拒否するのは18日、25日に続いて3回目。 尹氏が一向に出頭に応じる姿勢を見せない中、韓国メディアは、公捜処が尹氏の身柄拘束に向けて令状請求手続きに入る可能性が高まったとの見方を伝えている。 公捜処は、革新系の文在寅前政権時代の2021年に政府高官や検察官の不正を独立して捜査する機関として発足した。 尹氏側の弁護士は「公捜処に内乱容疑を捜査する権限はない」と主張。公捜処に弁護人の選任届さえ提出していないという。尹氏側は27日に準備手続きが始まった憲法裁判所での弾劾審判への対応を捜査よりも優先したい考えを示している。 公捜処とは別に、検察は27日に内乱の重要任務従事罪で金竜顕前国防相を起訴。尹氏を内乱の首謀者に位置付けている。