「バカな人は、あのおかげで出会えたものね」という 両親を失った女性がそんな人に「全ての出会いをゼロにしても構わないから、両親と実家と故郷を返して欲しい」あの日の自分に宛てた手紙に綴ったいつわりない心情
もっとこうしていれば…。「そんなことばかり引きずっていた」という髙橋さんがたどり着いたのは、「あの日の自分に手紙を書く」ことでした。 ■10年前の自分に、『ありがとう』の一言をせめて伝えて 髙橋匡美さん: 「あれをやりたいと言ったの私なんです金菱先生に。淡い思いとかファンタジーじゃなくて、絶対そうしてほしい(両親に生きていてほしい)という心の叫びというか熱望というかそういう形で書いたので、そんなに時間はかからなかったです」 タイムマシンがあるならば、時間を超えて伝えたいことがたくさんある。 髙橋さんの手紙には、「あの時の1分前の私へお母さんに電話して、『ありがとう』の一言をせめて伝えて」と綴られています。 10年前の自分に向けた高橋さんの真剣な願いは「手紙」になりました。 ■「手紙」を伝える人たち 藤沢さんがステージに立つ日まで、あと10日。朗読を合わせて奏でられるピアノ、照明や音響など本番前の確認が行われました。 ピアニスト 榊原光裕さん: 「自分の気持ちの中の311ってなんだったのかなっていうのを自分なりに音で表せたらなって思ってます」 演出は、俳優の高山広さん。「朗読」だからこそ伝わるものがあるといいます。 演出担当 俳優 高山広さん: 「手紙、本も個人で読むもの。みなさんと一緒にひとつのお手紙を藤沢さんの朗読を通して鑑賞する、味わう。これは個人で読んでいくのとはちがった力があるんじゃないかと思う」 1時間の朗読を午前、午後の2回。アナウンサー40年の藤沢さんにとっても初めての挑戦です。 元TBCアナウンサー 藤沢智子さん: 「書いた人が10年間の自分とか過去の自分とかを振り返りながら書いている、振り絞って書いている部分もあるので、それをどういうふうに表現するのかなというのが。私なりに精一杯読むしかない。どうなるかわからない、心配」 ■あの日以前の私へ、あの時以降の私へ 19日、本番当日。満席のホールの中には手紙を書いた髙橋さんの姿もありました。
【関連記事】
- 『電動ドライバーで足を刺したり大便を食べさせた』殺人や死体損壊・遺棄などで逮捕された男が被害者に暴行を始めたきっかけは「自分の障害をバカにしている」同居する知人男性の首を絞め殺害、遺体をチェーンソーで切断し遺棄するまでの経緯 前編
- ぴろんと伸びた鼻毛「むやみに抜いちゃダメ」医師が指摘する深いワケとは
- 「体が動けば心も動くし、心も動けば体も動く」子どもの発達を『オーダーメイド』リハビリでサポートする作業療法士の女性 個人で発達領域の作業療法にあたる活動とは
- 「見えないように5、6人で運んだ」津波から逃れた中学生が直面した苛烈な現実“救えた命、救えなかった命”
- カメムシが街中で増加 ナゼこの時期大量発生?照明の下を飛び回る黒い物体「異臭を放つアイツ」