【防災の日】災害時に大活躍の「携帯発電機」「ポータブル電源」 “誤った使い方”で一転、二次災害リスクも
携帯発電機では誤使用で死亡リスクも
たとえば携帯発電機は、ガソリンや軽油、ガスなどの燃料でエンジンを稼働させ、装置内のコイルや磁石を回転させることで発電する。そのため、室内で使用した場合、一酸化炭素(CO)中毒になるリスクがある。 経済産業省所管の独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)が行った実験の一例では、室内での使用後約8分でCO濃度が2034ppmになっている。これはそのまま室内にいれば2時間で死亡する数値で、携帯発電機の使い方には十分な注意が必要といえる。 実際、2020年9月8日に北海道の50代男性がCO中毒で死亡、2020年9月7日に発生したCO中毒による鹿児島の事故では1人が死亡、2人が重症に。どちらの事故現場にも家庭用携帯発電機があったという。 両事故とも自然災害(地震、台風)発生時にインフラが遮断されたなかでの出来事で、まさに”二次災害”といえる。 ポータブル電源については、2022年3月に宮城で、同年8月に東京で同電源からの発火により火災が発生している。これらは「通電火災」の可能性もあるとみられている。 通電火災とは、自然災害に伴う停電復旧後、可燃物が接触した状態の電熱器具や、水没や部品破損した電気製品に電気が流されることで発生する火災のこと。災害後に発生しがちな状況だけに、十分に注意する必要がある。 いまや防災グッズとして、広く浸透しているポータブル電源、携帯発電機。水や食料も大事だが、電源がない不安はいまの時代、甚大だ。 備えあれば憂いなし。防災対策に電源確保の優先度を高めるのは賢明だとしても、同時にその扱い方をしっかり意識しておかないと、「憂いなし」どころか、”二次被害”という災難を被りかねない…。
弁護士JP編集部