今から40年前の「大みそか」 子供たちはTVで何を見ていた? 『ドラえもん』怪獣のほか歌番組も
藤子不二雄作品の特番は「定番」だった
今から40年前となる1984年の大みそかは、『ドラえもん』や『忍者ハットリくん』など藤子不二雄(現:藤子・F・不二雄 藤子不二雄A)先生の作品の特番など、多くのアニメが放送されていました。また、その他にも有名な大怪獣が登場する映画やビートたけしの特番など多くの番組が年の瀬を過ごしていた方々を楽しませていました。当時を振り返ります。 【画像】えっ、若い! 美しい! これが「1984年の紅白歌合戦」に初出場した芸能人です(6枚) ※当記事で紹介する番組内容は関東圏に準拠したものとなります。ご了承ください。 1984年の大みそか、新聞のTV欄を見た子供たちの心を躍らせたのは、18時20分からTV朝日で放送された「藤子不二雄スペシャル ‘84大晦日だよ!ドラ・ハッ・パー」でしょう。『ドラえもん』『忍者ハットリくん』『パーマン』が20時50分ごろまでに合計12話分が放送されるという、夢のような時間を楽しんだ方も多かったのではないでしょうか。 なお、放送されたエピソードとしては「帰ってきたドラえもん」「ケムマキ忍法追い出し作戦の巻」「パーマンのスピードアップ大作戦」などが記載されていました。 その他にも年末のためアニメの特番は多く、同じくTV朝日では16時半から『アンデルセン童話・にんぎょ姫』、フジテレビでは10時から『くるみ割り人形』など往年の名作が放送されています。 この時代、テレビ東京では朝にアニメを放送するのが定番でしたが、大晦日にも「冬休みマンガ大会」と銘打った枠が用意されており『シンドバッドの冒険』『ロケット・ロビンフッド』『宝島』が放送されていました。『宝島』は当時のアニメとしては究極レベルの面白さを誇る名作ですので、未見の方は今からでもご視聴をお勧めします。
昭和「ガメラ」の特番が放送
当然ながら、大晦日にはアニメ以外にも多くの特番が放送されていましたが、特に男の子の目を引いたのは、おそらくTBSで16時から放送された『宇宙怪獣ガメラ』でしょう。ガメラシリーズの第8作で、事実上、昭和ガメラシリーズの最終作となっています。 他の特撮番組に関しては、フジテレビが朝の6時ごろから『マグマ大使』を放送しているのが確認できました。手塚治虫先生原作の番組で、本放送開始が『ウルトラマン』より13日早かったため、日本初の全話カラー放送された特撮ドラマとしても知られています。 また、この日は「北の宿から」「大阪しぐれ」などのヒット曲を出した都はるみさんの引退日(1990年復帰)だったため、TV欄のあちこちで名前を見ることができます。当時大人気だったビートたけし氏も複数の特番に出演していますが、特に目立っているのがフジテレビで19時から放送された「ビートたけしの世紀末わがままスペシャル!!」でしょう。藤子不二雄先生の特番とどちらを見るのか、迷った方も多かったのではないでしょうか。 紅白歌合戦を始めとする歌番組が無数に放送されていたのも、この時代の大きな特徴です。都はるみさんを始め、松田聖子さんの武道館ライブやレコード大賞、ビートルズの番組など、チャンネルを変えれば何かしらの歌が聞こえてくる状況でした。なかでもテレビ東京は17時から「第17回年忘れにっぽんの歌・生放送」、21時からは「ロックTVスペシャル 生放送!激突!!世界のスーパースター」を放送するなど特に力を入れていたことがわかります。中森明菜さんや五木ひろし氏、森昌子さんなど懐かしの名前がずらりと並んでいるのが非常に印象的なTV欄でした。
早川清一朗