大阪Bの西田有志（左）とサントリーの高橋藍。バレーボール日本代表の主軸がSVリーグ開幕戦でいきなり激突する

バレーボールの世界最高峰を目指す新リーグ「大同生命SVリーグ」は11日、東京体育館で男子が開幕し、前身のVリーグを昨季制したサントリーサンバーズ大阪と大阪ブルテオン（旧パナソニック）が対戦する。リーグは2027年までの完全プロ化を目指して再編成され、初年度は男子が10チーム、12日開幕の女子は14チームでスタート。開幕戦に登場するサントリーには、パリ五輪日本代表アタッカー高橋藍が今季加入。同じく五輪代表の主軸だった大阪Bのサウスポー西田有志との直接対決に注目が集まる。 【写真】名古屋とのプレシーズンマッチを前に、チームメートと談笑しながら体をほぐすサントリーの高橋藍 ■高橋藍「リーグ盛り上げに貢献」 イタリア1部リーグで3シーズンを戦い、昨季はモンツァでリーグ準優勝も経験した高橋藍がSVリーグに参戦する。「帰ってきたからこそ、日本のリーグを盛り上げていくことに貢献したい。いいチャンス」と腕をぶす。 京都・東山高で全日本高校選手権（春の高校バレー）を制し、日体大在学時に21年東京五輪に出場。29年ぶりの8強入りに貢献も力不足を痛感し、「海外のトップ選手に慣れていかないと」とイタリアに渡って腕を磨いた。今季はイタリアやポーランド、トルコからもオファーが届いたが、「新たな環境に身を置き、選手としてさらに進化するための挑戦」と兄の塁も在籍するサントリーを新天地に選んだ。 チームには得点力の高いムセルスキー、デアルマスがおり、「役割としては、レシーブで彼らがやりやすい環境をつくっていく」と持ち味の守備力を生かしたプレーを心がける。一方でマッチポイントを握りながらイタリアに逆転負けしたパリ五輪準々決勝の経験から「その1点を取るか、取らないかが勝敗を決める。そういうシチュエーションが出てくると思うので、取れる選手になっていかないと」と勝負どころでの得点力にもこだわりを示す。 ■西田「最後にしっかり勝つ」 企業名を外し、新たなチーム名で開幕戦に臨む大阪B。日本代表のセッター対角（オポジット）として活躍する西田は「いろいろ記憶に残るような試合にできたら」と意気込みつつ、「シーズンは半年以上かかる。最後にしっかり勝っていくチームをつくる」と冷静な口調で長丁場を見据える。 チームの正セッターを長く担った深津英臣がウルフドックス名古屋に移籍。代わって入った192センチの大型セッター永露元稀（えいろ・もとき）を軸に、新たなコンビネーションを構築している。「いろんな形が変わっているので、どこよりも合わせるのに時間はかかる」。西田は課題を口にする一方、「合ったときの力はものすごく高い」と伸びしろの大きさを強調する。