戦火を逃れて日本へ…ウクライナ人コスプレイヤーを直撃「日本のゲームとアニメが私の心を救った」
ロシアのウクライナ侵攻から逃れ来日した女性
戦争で傷ついたウクライナ避難民の心を救ったのは、日本のアニメやゲームだった…。X(旧ツイッター)やインスタグラム等にコスプレ写真を投稿し、今、人気急上昇中の在日ウクライナ人女性、アニャさんにインタビューした。 ⇒【写真】前線へ向かうウクライナ軍の戦車 秋葉原にある弁当屋の前に、長蛇の列。この数日前、アニャさんがウクライナの伝統的な飲み物「クワス」の無料試飲会を行うと、彼女のXで告知。試飲会では、メイド服を着たアニャさんがクワスを手渡ししてくれ、アンケートに答えれば一緒に写真を撮ることもできるとのことで、開始時間前から既に数十人もの人々が並んでいたのだ。 アニャさんは、ロシアによるウクライナ侵攻を逃れ、2022年の8月に来日。Xで日本語を使っての投稿を始めたのは、そのしばらく後だったが、この数か月でフォロワーが急増し、現在は9万5000のフォロワーを持つ。ここ最近は投稿が数十万単位で表示されることも多く、最もバズった投稿は、本稿執筆時点で約880万回表示されるなど、ネットアイドル化している。
「再現力すごい」コスプレ姿が話題に
アニャさんの人気の理由の一つがコスプレだ。『ニーア オートマタ』の2B、『ファイナルファンタジーVII』のティファなど、日本の人気ゲームやアニメのキャラクターのコスプレをして、その写真をXに投稿し好評を得ている。 180センチという高身長を活かし、人気ゲーム『バイオハザード ヴィレッジ』の超長身キャラクター、ドミトレスク夫人のコスプレをしたところ、「もう本物じゃないっすか」「再現力すごいです」とフォロワー達から絶賛され、ネット媒体でニュースにもなった。
ロシア軍の空爆で眠れない日々が続いて
そんなアニャさんが日本で生活するようになったきっかけは、やはりロシアによるウクライナ侵攻だった。 「戦争が始まった頃、私は故郷のオデーサ(ウクライナ南部の都市)に住んでいました。最初は避難したくないと思っていましたが、ロシア軍の空爆が激しくて眠れないような日々が続いたこと、職場のあるオデーサの港が爆撃されたこと、自宅近くにもミサイルが落ちたことから、精神的に苦しくなって、国外へ避難することにしたのです」(アニャさん) 避難民として、日本に来たアニャさんであったが、異なる言語や慣れない異国での生活に苦労したという。当初、アニャさんの母親も一緒に来日したが、うまく適応できずに帰国してしまったとのことだ。また、ロシアによる激しい攻撃を受け続けている祖国のことを思うと、心が痛んだという。そんな中、アニャさんは元々好きだった日本のアニメやゲームのコスプレをしようと思いついたのだった。