《ブラジル》記者コラム 技能実習全盛で日系人の訪日就労どうなる? 「日本語勉強して直接雇用目指せ」 一般ブラジル人が育成就労行く時代に?
特定技能制度2号合格者200人越えの時代に
二宮正人理事長はコラボラドーレス会議の要所要所で、深い知見に基づいたコメントを述べた。中でもSABJAの後、「日本では40年がかりでブラジル人定住化が進んでいる。ブラジルにおける日本移民の定住化より、早いかもしれない。そこにおけるSABJAと在外ブラジル人代表者評議会(Conselho de Representantes Brasileiros no Exterior=CRBE)の働きは重要だ」と語り、考えさせられた。 確かに1908年に始まった日本人移住が、邦人社会全体で本格的に「ブラジルに骨を埋めよう」と意識を変えたのは、戦後移民が到着し始めた1953年以降だろう。そこまでに半世紀近くかかっている。 ただし、1950年代のブラジルでは、日本移民の子孫はブラジル人とまったく同じ条件で教育を受けることができ、その結果、2世はサンパウロ州立総合大学(USP)入学者の1割を占めるまでになった時代があった。「骨を埋めよう」と思ってからそこまであっという間だった。 ところが現代の日本においては、外国人と日本人の教育機会は平等ではなく、在日ブラジル人子孫の高校卒業者は半分以下しかおらず、まして大卒となれば非常に少ない。日本で今以上に外国人労働者が増えれば、結果的に永住者も増えることになる。 事実、家族の帯同ができる永住資格が得られる特定技能制度2号の合格者は、昨年まで2人程度しかいなかったのに、この年後半には200人以上に一気に増えた。この勢いで増加すれば、数年以内に千人台、10年後には1万人の大台にのるかも。好むと好まないとに関わらず、日本は外国人住民との共生を迫られるだろう。(深)