《ブラジル》記者コラム 技能実習全盛で日系人の訪日就労どうなる? 「日本語勉強して直接雇用目指せ」 一般ブラジル人が育成就労行く時代に?
在日ブラジル人支援で大きな役割果たすSABJA
続いて、在東京の特定非営利活動法人「SABJA」(在日ブラジル人を支援する会、SERVICO DE ASSISTÊNCIA AOS BRASILEIROS NO JAPÃO)の田村エリカ代表が「在日ブラジル人労働者の生活上の悩みとその解決について」をオンラインで講演した。 在日外国人の日本社会適応問題解決のための支援を目的に27年前に創立された団体で、現在の主要な活動は、オンラインによる心理カウンセリングだ。ポ語ができる4人の心理カウンセラーが年間1208件ものオンライン相談を受けている。 田村さん自身も30年近く前に訪日した際、「最初は日本語がしゃべれず、3カ月はカルチャーショックで毎日泣いていた。でもそのおかげで今は日本社会のことがよく分かる。ポルトガル語で相談できる場所があるだけで心の安心感は全然違う。その経験をみんなに伝えたい」とこの活動を加わった経緯を説明。 さらに「在日ブラジル人コミュニティは日本社会にもっと貢献できる。一人で悩んでいないで、私たちにコンタクトを取ってください」(電話〈東京〉050・6861・6400、nposabja@gmail.com)と呼びかけた。 最後に、4世ビザで訪日した滝口ミッシェルさんもオンラインで体験談を語った。滝口さんは当地で生まれ、5歳で親に連れられて訪日し、18歳でリーマンショックとなり帰伯した。「でもブラジル社会に適応できず日本に帰りたかったが、ビザの問題で難しかった。そんな時に4世ビザ制度ができ、CIATEに相談して日本の身元保証人を探してもらい今日本にいる。今年、日本語能力試験でN2の取得ができ、定住者ビザに切り替えている。間にあってよかった」と胸をなでおろした。 4世ビザ制度は昨年12月に要件緩和が行われ、定住者の在留資格への変更が可能になった。以前は最大5年間の滞在しかできなかったが、今はN2相当の要件を満たせば「定住者」の在留資格への変更が可能になった。滝口さんはそれにギリギリ間に合った。「定住者」の在留資格になれば、就労や家族帯同が可能で在留期間の更新も可能となる。