意外と多い「新NISA成長投資枠で株式投資」の意向、「安定した利回り」を求める投資意向とはギャップ
投資信託協会が実施した「投資信託に関するアンケート調査 2023年」が3月13日に発表された。20歳~79歳の全国2万人の声を集めた調査で、調査時期は2023年9月29日~10月10日と、新NISAの開始を前にして投資に関する関心が高まり始めた頃のタイミングになっている。この調査結果では、新NISAに関する関心が、従来のNISA制度と比較して高いことがわかったものの、新NISAの成長投資枠での投資対象として45%の人が第一選択肢として「株式」と回答する(インデックスに連動する投資信託は約24%)など、「長期・分散・積立投資」の普及には、依然として課題があることも浮き彫りになった。
調査結果によると、新NISAの認知率は52.3%だった。旧NISA(「一般NISA」が75.3%、「つみたてNISA」が76.0%)と比較すると低いものの、制度開始前の調査にしては比較的高い認知率といえる。また、新NISAの利用意向については、「成長投資枠」を29.5%が利用したいと答えており、これは前年調査での「一般NISA」の25.6%を上回り、「つみたて投資枠」も28.1%と「つみたてNISA」の22.9%を上回る結果になった。認知度の高さ、そして、利用意向において新NISAへの期待が高いことがわかった。
新NISAの魅力については、「非課税保有期間の無期限化」、「年間投資枠の拡大」、「口座開設期間の恒久化」などについて評価が高く、いずれの項目も「旧NISAで現在商品保有者」よりも「旧NISAの非利用者かつ新NISAの利用予定者」の方が、評価するという回答比率が高く出ていることから、旧NISAでは制度を利用していなかった人でも新NISAでは制度を活用し始める人が少なくないことが期待される。
一方、新NISAの投資行動について聞いた結果では、「成長投資枠」において「毎月一定額を積立投資したい」という回答が39.8%を占め、これは、前年に一般NISAで積立投資をしたいという回答の29.6%よりも10%ポイント以上上回る高い回答率になった。この積立投資がしたいという回答は、年代別には「30代」が50.7%、「40代」が47.2%、「20代」が46.7%と若い世代に積立投資意向が強いことがわかる。その積立金額については、月次の積立投資希望額の平均は「成長投資枠」で4.8万円、「つみたて投資枠」で3.3万円という回答になった。これは前年の「一般NISA」での2.9万円、「つみたてNISA」の1.8万円を大きく上回る結果になった。