あの『ドミノ・ピザ』が80店舗閉店! "宅配ピザ"という文化は終わったのか!?
■コンビニやスーパーのピザとのすみ分け さて、少し話が変わり、最近ニュースになったのは、セブン-イレブンが即時配送サービスの7NOWでピザの宅配を始めたということ。どういう狙いがあるのか? 岩崎氏が答えてくれた。 「店舗だけの売り上げでいえばセブン-イレブンはコンビニ業界で1位ですが、店内売り上げを高めるのはこれ以上難しくなってきている。なので、お客さんが自宅にいながら買い物ができるようなサポートをして、店外売り上げを高めようとしています。 その導入としてピザを用意したということです。ピザはあらゆる世代に受け入れられ、デリバリーでも人気トップ。また、デリバリーやレストランなど含めたピザ自体の市場規模も確実に伸びているからだと考えられます。 ただ、あまりメニュー数を増やすと大変だから2アイテムに限定し、まずは一部店舗で実施。そこでやはり、しっかり人気があったので今は200店舗くらいに拡大して、このまま調子が良ければ全店舗に展開していきそうな勢いがあります。僕も食べましたが、すごくおいしいです」 最近はスーパーのピザも人気ですが、宅配ピザがその影響で押されたりしないでしょうか? 「結局、ピザという大きい市場の中でデリバリーが何%を占めているかという話で、その市場規模が大きくなったほうが宅配ピザにとってもメリットになります。デリバリーと今日の夕飯を考える思考はまったく違うので、食い合わないと思います。 実際、コンビニでおいしい冷凍のマルゲリータが出てきても、その影響で宅配ピザの売り上げが下がったとは聞かないので、すみ分けができているのではないかと考えます」(堀部氏) 最後に、宅配ピザ業界の展望を堀部氏が答えてくれた。 「数年間は不採算店の撤退が続くので『何%減! 何%減!』というようなニュースが続くでしょう。それが終わった後、コロナ前より少し市場規模は伸びたよねというところに着地するんじゃないかなと思います。決して悲観的な業界ではないと思いますよ」 取材/渡辺ありさ 写真/時事通信社