あの『ドミノ・ピザ』が80店舗閉店! "宅配ピザ"という文化は終わったのか!?
ウーバーイーツや出前館は、参入する飲食店にとっては作るだけになるので、顧客情報を何も得られない。客側も『○○店』で頼んだという意識よりは、『ウーバーで中華を頼んだ』みたいな認識なので、店舗のブランド認知性が低い。 だけど、宅配ピザ専門店はドミノ・ピザやピザハットで頼んだという意識がある。ブランド認知性がある上で、顧客名簿も持っているので、利用頻度を活性化することができるんです」 ■宅配ピザは地方に強い 岩崎氏からはこんな話も。 「宅配ピザは地方ではかなり重要なポジションを占めています。 全国のピザ宅配チェーンのベスト10をまとめてみたのですが、10社中7社は地方の企業。店舗数2位のピザハットは本社こそ神奈川にありますが、九州のヤマエグループホールディングスという食関係の商社に買収されました。 この会社は物流なども手がけ、これから1兆円規模の企業にしていこうというときに買収しました。つまり、ピザハットがダメになったからではなく、プラスに使おうという考えでのことです。ピザハットはこの買収をきっかけに九州の出店が増えそうです。 また、4位のナポリの窯は宮城の会社。普通の宅配ピザよりも質が高く高級なピザの提供をコンセプトにしており、グループに10位のストロベリーコーンズがあります。 その、ナポリの窯とストロベリーコーンズを運営している会社が関西を拠点にしていて、自己破産したシカゴピザを一部買収したんですね。ナポリの窯とかぶっていない西のほうの店舗を自分のグループに入れています。 5位はピザテンフォーで、ここは北海道を拠点とするチェーンです。北海道で絶大な人気を誇っているので、めちゃくちゃ店舗数が増えているわけじゃないけれど、減ってもいないという安定しているお店です。 6位のピザポケットは福岡、7位のピザ・ロイヤルハットは徳島、9位のアオキーズ・ピザは愛知、そして10位がストロベリーコーンズといった順位になっています。このように各地方で地元に強い宅配ピザチェーンが根づいているんです」 堀部氏が続ける。 「都心型の宅配ピザの場合は『今日はひとりでピザとって食べたいな』とか『友達が来るけど外食がめんどくさいから』とか日常に溶け込んでいる場合が多いですが、地方都市は日常よりハレの需要で使われることが多いです。 誕生日や法事、クリスマスや正月など、イベントごとに合わせた商品企画や販促を企画しています。地方においてはハレの日の需要における食のインフラになっていることは間違いなく、誕生日クーポンを送っても都心は1%も返ってこないのに対して、地方は10%も返ってきたりするそうです」