あの『ドミノ・ピザ』が80店舗閉店! "宅配ピザ"という文化は終わったのか!?
■大手が狙っている戦略とは!? では、そんな中で大手3社が打ち出している戦略や特徴があれば教えてください。 「ドミノ・ピザは戦略が強み。ランチとディナーと深夜、時間帯別のマーチャンダイジングに力を入れているんです。ランチはドリンクを一緒に売る。ディナーはピザ以外のメニューを一緒に頼めるようにするなど、それぞれの時間帯でピザを浸透させていく戦略を考えています。 また、デリバリーに加え、テイクアウトにも力を入れていて、店舗に来てもらうことに重きを置いています。人材が減ってきているので、すべてデリバリーでやろうとすると回らなくなってしまう。注文が少ないときでも売り上げを増やす策ですね。 ピザハットは先ほども述べたように福岡の食のグループ企業になったので、今後は九州の食材を使うとか、九州で店舗を増やすとか、そういう九州のグループとしての動き方を強化してくるのではないかと予想しています。 ピザーラは期間限定メニュー開発にすごく力を入れています。1年を3シーズンで割っているのですが、11~2月が冬、3~5月が春、6~10月が夏というふうにシーズンごとに期間限定で3~6種類ピザを出していて、その期間限定ピザがいつも売り上げ上位にいるそうです。 期間限定商品をどれだけ売るか。ということにこだわっていて、新しい商品を出す戦略をとっています。シーズンに合わせたメニューだから、消費者も頼みたくなりますよね。CMとメニューと客の購買動機がつながってくる。ピザーラはそれを上手にやっています」(岩崎氏) B級グルメ評論家の中川哲司氏が続ける。 「ドミノ・ピザやピザハットはひとり客の需要に合わせた『ピザBENTO』や『MYBOX』なる商品を展開しています。価格が1000円を切るものもあり、以前のように『宅配ピザは高く、大人数で食べるもの』というイメージを覆そうという姿勢が見られます。 また、ドミノ・ピザでは『ピザライスボウル』、ピザーラでは『パエリア』など、米を使った商品があるのも面白い。宅配ピザのメニューの多様性が感じられます」