Jの2ステージ制復活 中村憲剛「寂しい」
Jリーガーたちは困惑
Jリーグの2ステージ制復活に対して、プレーする主役のJリーガーたちの間では時間の経過とともに困惑が広がっている。この日は川崎フロンターレが、首脳陣や所属する選手たちへの説明会を開催した。午後3時からの練習を前に、Jリーグの理事会のメンバーで、一連の改革を検討してきた戦略会議にも名前を連ねる武田信平社長が、今この時期に開催方式を変更するに至った理由などを説明した。 もっとも、選手たちから質問の類は出なかったという。キャプテンのMF・中村憲剛が言う。 「今さら賛成も反対もないし、事後報告だから質問の出しようもない。選手はやるしかないけど、もうちょっとみんなに分かるようにしてほしかった。サッカーファンの中村憲剛としては寂しいですよね」 武田社長からは2008年シーズンをピークにJリーグ全体の観客動員数やスポンサー料収入の微減が続いている点、地上波でのテレビ生中継数が2008年の「17」から「7」に激減している点などが説明された。 もっとも、フロンターレのホーム、等々力陸上競技場における、今シーズンの平均観客数は約1万6500人を記録している。中村自身も「あれだけお客さんが入っているし、そこまでの危機感はなかった」と打ち明ける。スポンサー料収入や地上波でのテレビ生中継数の変化に至っては、プレーする選手たちは知る由もなかったはずだ。 だからこそ、Jリーグ事務局側は日本プロサッカー選手会(JPFA)を通じて、Jリーグを取り巻く危機的な状況を早い段階から共有するべきだった、というのが選手たちの偽らざる本音だろう。 FW大久保嘉人も、事後報告となった点が問題だと指摘する。 「1ステージ制と2ステージ制のどちらがいいのかは、オレら選手には分からん。だけど、やっぱり決まる前に言ってほしかった。決まってから言われても選手は納得するしかないからね」 選手とともに説明を受けた風間八宏監督は、基本的なスタンスは変わらないと力を込める。 「何がよくて、が悪いのかではなく、何を求められているか。1シーズン制がベストであることは全員が分かっているけど、(2ステージ制になっても)我々がやることは変わらない。面白くて魅力あるサッカーを提供することが大事。それがなければ、どんな工夫を施しても何も始まらない」