Jの2ステージ制復活 中村憲剛「寂しい」
今でも試合数はパンパン
今まで以上にサッカーの質を高める努力をしてほしいという要望は、Jクラブの各社長を通じてJリーグから発信されたメッセージでもある。 しかし、導入が決まった「2ステージ制+スーパーステージ+チャンピオンシップ」は、現状の全34節のスケジュールに最大で3節分が加えられる。そこへナビスコカップや決勝戦が元日から前倒しで開催される天皇杯が入り、さらにはACLを戦うチームも出てくる。 こうした過密日程面にも、中村は戸惑いを隠せない。 「今でも試合数はパンパンで、個人的にはカレンダー自体が破綻していると思っている。そこでサッカーの質を上げてほしい、いいものを見せてほしいと言われても…・・・」 大久保は今この段階で、サッカーの質うんぬんを問われる点に違和感を覚えている。 「オレらは一応プロだし、入った時から上手いヤツがもっと上手くなりたいと思っているわけだから、質をよくしろとか言われる筋合いもないのかなと。ダメなヤツは落ちていくだけだし、そういう点はみんな自覚しているでしょう」 そして、選手たちが何よりも肌で感じているのが、2ステージ制復活に対するサポーターたちの反対の声だ。サンフレッチェ広島をホームの等々力陸上競技場に迎えた14日には、試合終了後に反対の横断幕がスタンドに掲げられる光景を目の当たりにしている。 こうした「うねり」を決して無視できない、と大久保は警鐘を鳴らす。 「どこのチームもサポーターが反対しているでしょう。そうなると、もうJリーグの試合には行かない、という人も中には出てくるかもしれない。全部がひとつになって決めれば、ここまで問題にならなかったかもしれない」 大久保の言う全部とはJリーグ事務局、JPFA、そしてサポーターを指す。しかし、Jリーグ事務局は今後の労使協議会でJPFA側に状況を説明したいと言うにとどめていて、サポーターに対してはメディアによる報道や各クラブを通じて丁寧に説明していくのが理想というスタンスを取っている。 これでは説明を丸投げしている、と指摘されても反論できないだろう。これまでJリーグとしてサポーターとの意見交換会などを実施してこなかった点についても、Jリーグの中野幸夫専務理事は「決してサポーターと向き合いたくなかった、という意味ではない」と前置きした上で理由をこう語る。 「(Jリーグと)サポーターとの向き合い方というのが、非常に難しい」