阪神・岩崎が若林忠志賞を受賞 能見先輩の活動を引き継ぎ「1年でも長く、この活動が続けられるように」
阪神は24日、チーム内で社会貢献活動やファンサービスに取り組んだ選手をたたえる第13回若林忠志賞に岩崎優投手(33)を選出したと発表した。2021年から静岡市や西宮市の児童福祉施設などに、登板数に応じた金額相当分の玩具を寄贈する活動を行っている。25日の球団納会で表彰される。 岩崎が活動を始めたのは2020年オフ、阪神を退団、オリックスに移籍した先輩の能見篤史氏(45=現本紙評論家)の活動を引き継ぐ形だった。能見は14年から1勝につき10万円分の玩具を出身の豊岡市、本拠地の西宮市の施設などに贈る活動を継続的に行っていた。能見は16年、第6回若林忠志賞を受賞していた。 能見から「任せたよ」と後を託された岩崎は、同じように玩具を子どもたちに贈ることにした。自身が生まれ育った清水市(現静岡市清水区)と本拠地・甲子園球場のある西宮市の児童福祉施設や公立保育園などに、レギュラーシーズンの登板数に応じた金額相当分(1試合2万円)の玩具の寄贈している。今年は60試合登板で120万円分。4年間で239試合に登板しており、金額にして計478万円にのぼる。 岩崎は「活動を始めて、当初思っていたよりもやりがいがあるなと感じています」と話した。「今度訪問しますけど、子どもたちが喜んでいる姿を目にした時に特に感じます」。今年も近く、自ら施設に出向き、子どもたちにプレゼントを渡し、その玩具で一緒に遊ぶことにしている。 若手が多いチームにあってはベテランのようだが、まだ33歳。岩崎は「1年でも長く、この活動が続けられるように頑張っていきたい。続けることが大事だと思っています」と話した。 25日、球団納会で表彰式があり、記念の盾と賞金100万円、活動資金100万円が贈られる。(内田 雅也) ○…若林忠志氏(故人=1965年没)には2男3女がおり、全員が健在だ。次男・忠晴さん(85)は岩崎受賞の知らせを受け「今年の若林賞も素晴らしい選手が選ばれました。父の行為が若い選手に引き継がれ、若林忠志の名前が残ることは大変うれしく思います」と話した。 ▽若林忠志賞 阪神が社会貢献・慈善活動やファンサービスに継続的に取り組み、優れた見識を持つ自チームの選手を表彰する精度。2011年7月創設。球団創設時から活躍し、グラウンド外の活動でプロ野球選手の模範となった元投手・監督、若林忠志氏(1908―65年)の功績をたたえ命名した。毎年オフ、選手1人を表彰、記念の盾と賞金100万円、活動資金100万円を贈る。