台湾芸能人「台湾は古くから中国領土」、SNSで投稿 文化相「とても悲しい」
(台北中央社)中国で活動する台湾出身の複数の芸能人が14日、短文投稿サイト「微博」(ウェイボー)で、中国の政府系メディア、中国中央電視台(CCTV)の投稿を拡散する形で「台湾は古くから中国の領土」「中国はただ一つ」とのメッセージを投稿した。李遠(りえん)文化部長(文化相)は15日、個人にはそれぞれの選択があるとした上で、「とても悲しく思う」と述べた。 中国人民解放軍は14日午前、台湾周辺の海空域で軍事演習「連合利剣2024B」を実施すると発表。CCTVは演習の実施範囲を示す図を「台湾独立派は死へまっしぐら」「台湾は古くから中国の領土」「中国はただ一つ」などの文言とともに微博に投稿し、拡散を呼びかけた。これに呼応する形で、チェロ奏者のナナ(欧陽娜娜)さんや歌手のアンジェラ・チャン(張韶涵)さん、ナナさんの妹で俳優のディディ(欧陽娣娣)さんら台湾出身の芸能人が相次いでCCTVの投稿をシェアした。 李氏は立法院院会(国会本会議)出席前に報道陣の取材に応じた。李氏は中国で活動する台湾の芸能人に対し、言論上で利用されないよう呼びかけた。また台湾の芸能人の投稿について、本心からなのか、それとも仕方なくなのかは分からないとした上で、台湾では芸能人やクリエーターに台湾への忠誠心をつづらせることはあり得ないと言及。異なる国において、「あることを言わなければステージに立てない」という状況があるのは「想像し難い」と述べた。 (林敬殷/編集:名切千絵)