率直に言う 特急に値しない列車は即座に「快速」に格下げすべきだ
減った「急行」が「快速」もしくは「特急」に
国鉄時代の終わり頃まで、各地に「急行」が走っていた。JRになってからもしばらくは残っていた。これらの列車は、車両を新しくして「特急」にするか、車両はそのままで「快速」にするか、ということになった。その後、定期運転の「急行」はなくなった。「快速」にした場合、指定席がないことも多く、いつの間にか普通列車になってしまったものもある。 「特急」に格上げされたものは、現在もなお運行を続けている。しかし、短編成化が進み、3両編成や2両編成の列車などもよくある。 短編成の特急が目立つのは、JR東海やJR西日本、JR四国である。JR東海では特急「ふじかわ」「伊那路」が3両編成、「南紀」が2両編成になっている。JR西日本では、「スーパーいなば」「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」(一部を除く)が2両編成である。JR四国では「宇和海」「あしずり」「うずしお」「剣山」「むろと」で2両編成が見られ、指定席が半室という列車もある。なおJR九州にも2両編成特急はある。「指定席」と「進行方向向き座席」があるという理由で、「特急」になっているという列車もあると考えていい。 着席に料金を課す、というのはわかる。しかし、高規格の道路網が地方のかなりの場所までできている現状(しかも、地方だと高規格道路は無料であることも多い)で、さほどの速達性がない特急に料金を課すというのは、鉄道離れの原因ともなっているのではないだろうか。 JR北海道の「すずらん」は、気軽に安く利用できる特急として支持されてきた。「大雪」は、札幌直通ができないまでも、地域内での短距離移動にも役立つ特急として大切にされている。利用客は少なくても、ないと困るという性質の列車なのだ。しかし、高い特急料金を払うには……という状況だ。 また多くのJRで運行されている短編成の、自由席主体の特急列車は、速達性で高規格の道路に負けているところがある。国鉄時代の終わり頃に「快速」に格下げされた列車は車両の陳腐化に問題があったが、特急列車の車両を使用した快速列車ならば、乗り得列車としてかえって乗客を集められるのではないか。「特急」にするほどでない列車は、指定席つきの「快速」でいいのではないか。そのぶん、人に乗ってもらえば問題はない。
小林拓矢(フリーライター)