石破首相が習近平氏と初会談、戦略的互恵関係の推進を確認
(ブルームバーグ): ペルーを訪問中の石破茂首相は現地時間15日、中国の習近平国家主席と初めて会談した。習氏と日本の首相との会談は1年ぶり。石破首相は会談後、記者団に対し、戦略的互恵関係の包括的推進と建設的で安定的な関係の構築という大きな方向性を改めて共有し、今後も会談を重ねることで一致したと語った。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて行われたこの日の会談で、石破首相は習主席に東シナ海情勢や中国人民解放軍の活動の活発化を「極めて憂慮している」と伝えた。中国・深圳で日本人学校の男子児童が殺害された事件を巡っては、習主席から「中国において、日本人を含む全ての外国人の安全を確保する」との発言があったという。
会談では、首脳間を含むあらゆるレベルで頻繁に意思疎通や往来を図り、課題と懸案を減らしていくことでも一致した。
日中間では中国軍機による領空侵犯など日本周辺での中国軍の活動活発化や、法人拘束事案など課題が山積している。石破首相は外遊出発前、共通に取り組むべき課題もあるとして率直に意見交換する意向を示しているが、米国では中国に厳しい姿勢を示すトランプ次期大統領が1月に就任する。米中関係がさらに悪化すれば日中にも影を落とす可能性がある。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Takashi Hirokawa, Takashi Umekawa