悔しいPSデビューとなったドジャース・山本 (AP)

ナ・リーグ、地区シリーズ第1戦（ドジャース7－5パドレス、5日、ロサンゼルス）地区シリーズ第1戦に先発したドジャース・山本由伸投手（26）はパドレス打線に攻略され、3回5安打5失点と厳しい結果だった。セットポジションの際に球種を判別され、二塁に走者を置いた場面では狙い打ちされた。11日（同12日）の第5戦にもつれた場合は中5日で登板する可能性があり、悔しさをにじませつつも前を向いた。 WBC、日本シリーズなど大舞台を数多く踏んできた山本が、勢いを取り戻す前にタオルが投げられた。一回に3失点。大谷の3ランで同点とした直後の三回にも2点を失い、3回5安打5失点で降板。ポストシーズン（PS）のデビュー戦は苦い結果に終わった。 「先頭を出して、四球で走者をためて本塁打を打たれた。そういった投球の基本的なことができていなかった」 2日前に登板予定が第2戦から第1戦に変更され、独特の緊張感に包まれた本拠地のマウンドに上がった。一回は3年連続首位打者のアラエスに左前に運ばれるとパスボールとワイルドピッチで無死三塁。続くタティスに四球を与え、プロファーの二ゴロ間に三塁走者の生還を許した。これ以上の失点はとどめたいところだった。 『1死二塁』。4番マチャドにスプリットをすくい上げられ、左中間スタンドに運ばれた。三回はタティスの二塁打、メリルの四球などで『2死二塁』。ボガーツに左翼線への2点二塁打を浴びて勝ち越された。 ロバーツ監督は打ち込まれた要因を、こう指摘した。「彼ら（パドレス）は彼（山本）をよく見ていた。（走者）二塁で山本のグラブに問題があり、球種を見破られた。調査が必要な点がいくつかある。それは野球の一部。球種を見破らないようにするのは私たちの責任」。マチャド、ボガーツに痛打された場面はいずれも走者二塁。監督は、山本の癖が読まれ球種が特定されていた可能性を示唆した。 メジャー1年目の今季は6月に右肩腱板の損傷で負傷者リスト入りし、9月10日に戦列復帰。登板18試合で7勝2敗、防御率3・00だった。PS第1戦は立ち上がりからつまずいたが、チームは逆転勝利。11日（日本時間12日）の第5戦にもつれれば、山本は中5日で登板する見込みだ。 「大谷さんに限らず、チームメートにたくさん声を掛けていただいた。冷静に考え直してプラスに変えていけるように」と山本。初のPSを不完全燃焼で終わらせるわけにはいかない。投球フォームに〝メス〟を入れ、真価を示す。（横山尚杜）