センバツVの東海大相模主将が復帰「夏は自分の手で優勝旗を握る」
第93回選抜高校野球大会で10年ぶり3回目の優勝を果たした東海大相模が17日、横浜市のサーティーフォー保土ケ谷球場で行われた春季神奈川県大会3回戦に臨み、センバツ期間中に急性胃腸炎で入院した主将の大塚瑠晏(るあん)(3年)が実戦復帰した。自ら優勝旗を受け取ることはできなかったが、大塚は「チームが勝つことが一番。絶対に勝つという気持ちだけは共有していた」と振り返った。 【今大会のホームラン】 センバツ後初の公式戦となったこの日の平塚学園戦で、大塚は8―8で迎えた九回に代打で出場。申告敬遠となったものの、遊撃手として持ち味の堅実な守備で貢献した。延長十回に勝ち越した後、その裏の無死二塁のピンチで正面の打球を軽快にさばき、二塁走者を三塁でタッチアウト。チームは9―8で勝利した。5日に退院し、16日にチームに合流したばかりとは思えない冷静な判断を見せ、門馬敬治監督も「いい働きだった」と評価した。 センバツでは、3月26日に行われた鳥取城北との2回戦後、強い腹痛に襲われた。急性胃腸炎で大阪市内の病院に入院し、準々決勝からベンチを外れた。決勝後の閉会式ではメンバーが大塚と共に戦ってきた思いを込めて背番号「6」のユニホームを持ってグラウンドを行進。病室のテレビで見守った大塚は「自分が持って行ってくれと言ったわけではないのでびっくりしたが、感動しました」と感謝した。 入院中は食事がまともにとれずに体重は8キロ落ちたという。ランニングなどで少しずつ体力を戻し、ようやく全体練習に参加できるまでに回復した。春季大会は負担を軽くするため、試合での主将の役割は他選手に任せている。「テレビで見たセンバツは、やっぱり悔しい。夏は絶対に優勝旗を自分の手で握りたい」。焦る気持ちをぐっと抑え、そう力を込めた。【浅妻博之】