「身体も脳もピンピン」看護界のレジェンド・92歳の名誉教授が続ける「お年寄り」にならない養生術
看護の基本を守って健康に暮らす日々
17年前に舌がんの夫を看取ってひとり暮らしを経験したあと、現在は息子さんと2人で暮らす川嶋さん。 「年を追うごとにスケジュールが忙しくなっているように思います。以前、目標に『週休2日』と書いたくらい毎日仕事でね」 1日の大半をパソコンの前で過ごし、原稿の執筆や講演の資料作りに費やす。心身の健康を維持するためには日々の習慣が大切だと話す。 「食事や睡眠をきちんととり、自分なりの暮らしのリズムを崩さず、繰り返すこと。これが私にとってのリラックス法にもなっています」 日々の営みができていないと、生命力や治る力が弱まり、人間は病気になりやすいと考えているのだとか。 川嶋さんの朝は、決まった時間に食事をし、外の落ち葉を掃くことから始まる。 「こういった日々の習慣を気持ちよく行えるかが、私の健康のバロメーター。生活を正せば大半の病気は防げるんです。3度の食事も大切。おいしく楽しく食べると生きているハリを感じますね。 運動をする時間はなかなか取れないので、毎朝必ず、自らの治る力を発揮させる短い体操をしています。座ったままできるので続けやすいんですよ」 塩水での「鼻うがい」も日課。睡眠も大事にしており、熟睡できて便通を促進するといわれる「うつぶせ寝」で夜はベッドに入る。 「看護師として働くうえでも、感染症予防のためにも、身体や室内を清潔に保つことも欠かせません。今も毎日風呂に入り、手を洗い、こまめに掃除をする。これが案外、効果があるんですよ」
昨年から月に1~2度、合気道にも通い始めた。そこで用いる“気”が看護の現場で役立つといううれしい発見も。 「例えば、自分より大きい患者さんを持ち上げるとき、“気”を使えば楽にできるんです。それに、いくつになっても頭脳も体力も向上できると体感できた。年を取るとだんだん下り坂だと思ってしまいがちでしょう? でもあきらめずにやっていたら進化もすると思っています」