AIが仕事を奪う未来は「まだ先」? リスクが最も高いのは「会計スキル」
ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツは、ホワイトカラーの仕事はAIによって完全に置き換えられることはないが、AIコパイロットやエージェントによって補完または強化されるだろうと考えている。 新しい調査によると、専門職や事務職は、肉体労働よりは生成AIの進歩に対して脆弱だが、AIはどの職種でもすぐに仕事を奪うレベルには達していないことが示されている。実際、2800の職業スキルの調査では、どのスキルも生成AIによる即時大量絶滅の脅威にさらされてはいない。 Indeed Hiring Labが実施し発表したこの調査では、OpenAIのGPT-4oモデルを用いて、Indeedの求人情報に掲載されている、アカウント管理からホスピタリティまで、幅広い仕事スキルが調査された。要するに、生成AIが特定の仕事を代行できるかどうかが調査されたのだ。 調査によると、評価されたスキルの大多数(69%)は、生成AIに置き換えられる可能性が「非常に低い」または「低い」とされた。一方、29%のスキルについては「ビジネス慣行が変更され、ツールが改善された場合、将来的に生成AIに置き換えられる可能性がある」とされている。 調査対象の職業の中で、AIに「非常に置き換えられる可能性が高い」とされたものは0%だった。調査の著者たちは、「人間の仕事のスキルが、近い将来、職場で簡単にAIに取って代わられることはない」と考えている。「今日の生成AIツールは、Indeedが特定した数千の職業スキルの中で、いかなるスキルでも、有能な人間労働者を即座に置き換える可能性は非常に低い」とされている。 その違いは、仕事の「肉体的」な要素にある。全体的に見て、航空技術や料理技術など、多くの手作業が必要なスキルに関しては、生成AIの有用性は限られていると指摘されている。 会計、マーケティング/広告、ソフトウェア開発、医療管理サポート、保険請求、採用などの職業では、50%以上の確率でAIによってタスクがある程度奪われる可能性がある。調査の著者であるアニナ・ヘリング博士とアルセニス・ロハスは、これらの職種については、「生成AIは重要な知識を提供し、ある程度の問題を解決する能力がある。このことは、人間労働者がスキルを向上させ、学び続けることを一層重要にする」と述べている。 ただし、AIがタスクの大部分を自動化できる可能性がある一方で、現時点ではその能力はまだ十分でない。ヘリング博士とロハスは、「現在、生成AIは、多くの一般的な職業に見られるスキルを使って問題を解決するのが特に得意とは言えない」と指摘している。